2017.07.26

大韓に行かないで大韓を味わう法・・・の巻


  発売後のお知らせになってしまいましたが、ただいま発売中の雑誌「旅と鉄道・17年9月号」(山と渓谷社)に「世界の鉄道 途中下車の旅14 タイからラオスへの国境越えと寝台列車の旅」ほかを寄稿しております。書店等でお見かけしましたら、お手に取っていただければ幸いですm(__)m

Daikanrock01

  という次第で、東南アジアに浮気しているような昨今ではあるが、そうこうしていると久々に大韓散歩へと繰り出したくもなってくる。ワケあって(?)、今年の11月以降に2度ほど訪れる計画を立ててはいるものの、それまではまだだいぶ間が空いている。そこで、書物だのネットだのを通じて大韓風味を楽しんでいたりするのだが、そうしていればこんなイカした本に巡り会うこともできる。

『大韓ロック探訪記  대한 록 탐방기』(長谷川陽平著・大石始編著/DU BOOKS)
  大韓を舞台に第一線で活躍しているミュージシャン・長谷川陽平については、いちおうは知ってはいたが、こんな楽しい一冊が出ていたとは、迂闊にも気がつかなかった。
  あるィ夜。ネット通販の検索窓に、ほとんど無意識のままに打ち込まれた「大韓ロック」の文字。別段なにを探していたのでもないのだが、経緯はともかくそうしてブチ当たってしまえば仕方がない。

  対談中心で構成された濃密な大韓話の数々。必然的に音楽シーンの話題が多くはなっているが、そこに流れる通奏低音は大韓そのものである。仮に大韓ロックそのものに興味がなくったっていい。大韓という響きにピピっときているとしたら、こんなに楽しく読める本もそうはないのではなかろうか。あの“『ディープコリア』シリーズ”と合わせ、ぜひ日常的に愛玩したい名著といえる。

Wanggwabi93

  大韓ドラマにもあれこれ傑作やら良作やら名作やら佳作やら駄作なんてのもあるが、イブシ銀的名作としてこの「王と妃」はぜひ見ておきたい作品だと考えてきた。といいつつ、全編を通してじっくり鑑賞したことはなく、要所要所をつまみ食いしてきた程度だというのを白状しなければならないが、そういうザマになってしまうのは、ひとえにコレが全186話という大河ドラマ中の大河ドラマであるがゆえ(オープニングでいきなり「대하드라마=大河ドラマ」と画面にドーンとお出ましに。自他ともに認める大河ドラマなのであった)。
  ひとくちに186話というけれど、1話あたりがおよそ60分弱、一睡もせずに見続けたとしても軽々1週間以上を要するのだから、並み大抵の覚悟では臨めませんわなぁ(そもそもそんなことをする意味が?)。ちなみに、わりと中味の濃い次回予告があるのだが(1分間程度)、その全195回ぶんだけをコレクションしても、3時間超。DVD1枚に収まり切らないのではないかというおそるべきボリュームなのであった(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

  で、このたび、唯一流通している“レンタル落ち”全93巻をコンプリート。その長丁場に挑むことになったというワケですо(^ヮ^)о

  話は朝鮮王朝第5代王・文宗の時代からスタート。即位したものの虚弱体質だった文宗は即位からわずか3年ほどで死去してしまうのだが、そのあとを継いだ息子のホンウィ(端宗)が11歳と幼なかったことなどが、一連の騒ぎの発端に。前半の山場は癸酉靖難と呼ばれる叔父・首陽大君による大粛清および王位剥奪事件で(ドラマとしてはショスタコービチの「交響曲8番」第1楽章のような脚本であり演出。癸酉靖難の回をみたあとにこの曲を聞いたら腑に落ちた)、全編にわたり王室や官僚あるいは宦官らによる権力抗争が繰り広げられるのだが、それをさらにドロドロとさせるのが後宮に巣食うおっかさん連中なのである。そのおっかさんたちのコワモテぶりがまたたらまんのですよ。ラストに向けてのハイライトは朝鮮王朝の“暴君”として名高い燕山君(第10代王)の大暴れであり、件の予告にも「いよいよ燕山君が登場!」のごとく扱われているのにもグっとくる。しかしそのころには秋になっちまうなァ……。

  でまぁ、そんな燕山君の大暴れにカタルシスを期待しつつ186話に挑むワケだが、そのマラソンの主役をなす仁粹大妃(というより役を演じていているチェシラ)がかもす迫力こそが、このドラマの根幹を牛耳っているといっても過言ではないだろう。のちに仁粹大妃と化す首陽の長男の嫁・ハン氏として最初から出ているのだが、山盛りとなった傍役のひとりでしかなかったその時代から、すっかりドラマの顔と化す文字どおりの変貌にもグっときてしまうのであった。

  ところで、この時代は数々の大韓時代劇で舞台に選ばれているが、この作品では「朝鮮王朝実録」などの歴史書を比較的忠実に沿っているといわれ(ときおり入る解説で、ときに「実録」の内容に疑問を呈していたりもするが)、時代劇であると同時に「歴史ドラマ」であるといえるだろう。なにがいいたいか?  大NHKが大韓時代劇を指してことごとく「韓国歴史ドラマ」などと銘打っているが、そのなかには100%のフィクションドラマも含まれており、NHK式の呼び方に違和感を覚えざるをえない。もちろん、「王と妃」にしても創作された部分は多々あるだろうし、作品の最後で述べられているとおり、残された“史実”が勝者側の“史実”にすぎない点なども考慮すべきではあろう。だが、NHK式の無防備な呼び方はどうだろうか。あたかも、フィクション(まったくの作り話)もまた「歴史ドラマ」、あるいは史実としかねないような危惧を、わずかながらも感じないではいられないのだが……。



Wanggwabi01

  さて、そんな「王と妃」は大韓における大ヒット作でもあった。1998年6月から2000年3月(長ぇ〜っ)というから、かれこれ20年弱前という古いドラマであるにも拘わらず、街を眺めればこんなレガシー(遺産)がそこここに散見されるというのも楽しからずやо(^ヮ^)о

ココアルネ

Wanggwabi02

  看板の文字はドラマのまんま(多少は違えてあるかもしれないが)。書道の師範だかなんだか忘れたが、その程度にまで書道に勤しんでいたことのある我が母堂いわく「あの王の字、上下のバランスを崩してあるところがいいわねぇ」とのこと。篆刻家・チョンビョンネ(정병례선생님)の作ということで調べてみたところ、「ほしい!」と感じさせる作品があれこれあった(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

ココアルネ

Wanggwabi03

  コレはちょっと再現がいい加減ですな。

ココアルネ

Wanggwabi04

  もとい、勝手に使って大丈夫なのかと思わないでもないが、きっとケンチャナヨなのであろう。そう思った。

ココアルネ

Wanggwabi05

  飲み屋の一種。こうしてみたところ、飲み屋のほか韓服店、さらにノレバン(大韓式カラオケ屋)に好まれているようだ。

ココアルネ

Wanggwabi06

  まぁ、王と妃ですからねぇ。たしかに韓服にはもってこいの屋号かもしれない。

ココアルネ

Wanggwabi07

  民俗酒場。

ココアルネ

Wanggwabi11

  この店はチェーン店のようだ。どうでもいいが。

ココアルネ

Wanggwabi12

  王と妃は「왕과비」。しかし「왕&비」ってのはあまりにおっかさん(チェシラ)と燕山君をナメちゃいまいか?

ココアルネ

Yeonsangun01

  で、燕山君。なんだって燕山君なのかといえば、看板にあるとおり「연산군연탄구이」(燕山君練炭焼=ヨンサングンヨンタングイ)、つまり「燕=ヨンと練=ヨン(ともに大韓語読み)」ってことなのではないかと推察するのだがぢうか?

Yeonsangun02

  この店は屋号の看板が捉えられていないが、同じく焼肉店である。生サムギョプサム3900ウォンってのは安くないか?

  それはそれとして、「王と妃」の前半を見るにつけ、「ぁあ、この男の目つきときたら、日本のどっかの政治家と同じですなぁ」と感心させられることしばし。内官(宦官)のオムジャチ(キムビョンギ)やキムヨン(ファンボムシク)、安平大君(チョンソンモ)あたりなんかとくにねぇ。テレビニュース(自称か?)なんかを見てると、どっかの国の与党政治家の見たくもないのに見せられることが多い面々にクリソツなんですな、コレが。このうち、役を演じているキムビョンギとチョンソンモは、ともに「砂時計」で悪役格というか“卑役”(造語)でイイ味わいを出していたが、「王と妃」でも期待どおりの仕上がりである。まぁ、いまのところ(?)燕山君がわが国にお出ましでないのが救いといやぁ言えるか……?

Gimseongju02

  話かわりますけど。かように大韓ネタで寛いでいたら、こんなのを拾った(3冊ほど表紙画像をネットでみかけるが、いずれも同一の画像のみが流布されている模様。そのうちのひとつをココでも使わせていただいた。ぁあ、欲しいなァ……)。いかにもアヤシゲな雰囲気の「劇画」だが、金日成のルビが本名の「김성주(キムソンジュ)」になっているところがミソ(『劇画・金日成の寝室』パクブキル画)。

Route21

  コレも拾いモノ。「道路脇(路肩)での性行為  交通事故誘発」ときた。類似のシロモノに国立公園内だかにあるらしい同じような意味の横断幕(섹스금지)があって大韓人を面白がらせているようだが、そちらは単純なフェイク。するとこちらもそのテかもしれないが、とりあえず面白いのでタウム地図で現場を捜索してみることにした。

  ちょっと見に全羅道の北部か忠清道南部を直感したが、よくよくみれば「全州国道」がどうのとある。ココまでわかればあとは単純。該当しそうな国道をネット上でドライブすればいいのだ。

Route21point05

  で、あったо(^ヮ^)о  ワクワクしながら捜索を続行し、かれこれ6カ所ばかり特定しつつスクリーンショットを取ったのだが……、書いてある文句が違うではないか。「道路脇での販売行為〜」だって?  ったく、ガッカリしたとはこういうときの心境を指すんだよなぁ(笑)。

Route21point0565346

  その現場のひとつ。

ココアルネ

  しかし、さらに調べてみたところ(ヒマ人ですね・笑)、コレはまったくのフェイクではない可能性が出てきた。なんでも最初に現われたのはまさしく「性行為(성행위)」云々(うんぬん)で、コレを見つけた某大韓人がネットにアップするや、世間をそれなりに楽しませたらしい。ところが、その騒ぎにクマった当局が、とりあえず「商行為(상행위)」と書き換えたというんですな。それが現段階では「판매행위(販売行為)」で落ち着いているということらしいのだが(つまり、성행위→상행위→판매행위)、そもそもがこの路肩で商売をするというのはムリがあるというか命がけだし不自然にすぎる。むしろ「性行為」のほうが、たぶん路肩にクルマを止めて云々(うんぬん)ってな話だろうから可能性がないワケでもないだろう(しかし、こんなところでそんなことをする意味が?)。

  それはそれとしても。コレが当初のママだったら、この現場に赴いて写真のひとつでも撮らないことには自分に対する示しってもんがつかないよなァ。ぁあ、でもこんなところまで往くのも面倒だなァ(全州あたりからタクシーをチャーターか?)。……でも、やるんだよっ!  というのをやらないで済んでホっとしたであります。

Geumji01

  おまけ。だいぶ前に拾った「くむじ少年」。なんらかの事情でいきなりこのページに寄って下さった方にはなんのことやらわからないと思いますが……。「ドキドキラブコメディ」ねぇ……。大韓版「JUMP」に載っているのかいたかしたそうであります。


  おまけ。



  大韓語で歌ってみましょう♪

  으하하하!  으하하하하!
  (ウハハハ!  ウハハハハ!)
  황금박쥐!
  (ファングムバッチ!)
  어디 어디 어디에서 오느냐 황금박쥐!
  (オディ、オディ、オディエソ オヌニャ ファングムバッチ)
  빛나는 해골은 정의의 용사다.
  (ピンナヌン ヘゴルン チョンゥイエ ヨンサダ)
  힘차게 날으는 실버 배터.
  (ヒムチャゲ ナルヌン シルボ ペト)
  우주의 괴물을 점멸시켜라!
  (ウジュエ クェムルル チョムミョルシキョラ!)
  어디 어디 어디에서 오느냐 황금박쥐!
  (オディ、オディ、オデュエソ オヌニャ ファングムバッチ!)
  박쥐 만이 알고 있다.
  (パッチ マニ アルゴ イッタ)
※作詩:제일동화/作曲:타나카 마사시/大韓版の歌:?

  なんだって黄金バット(황금박쥐)なのかといえば、大韓ドラマ「まるごとマイラブ(몽땅 내 사랑)」のファンクムジ(황금지)が双児の弟オギョブにそう呼ばれてたのを思い出したから(単なるくむじつながり。とくにというか、まったく意味なし失敬の巻といったところだが、じつはアニメ「黄金バット」が日韓共同製作だったということをこの騒ぎのおかげで知ることとなった)。ついでのついでさらについでのの話ではあるが、「우주의 괴물을 점멸시켜라!」のところを「자민당의 바보들을 점멸시켜라!」にしたら楽しかろうと思う。

  という次第で、大韓に行かないで大韓を味わう法の巻でありMASITA。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.14

新型寝台列車でバンコクへ・・・の巻

Vientiane_0853

  ビエンチャンの元「都バス」で帰路につく。ノンカーイゆき国際バスが2時間に1本程度運行されており、それに乗ればあれこれ考えずに済んでしまうが、それではつまらないと思ったからだ。

Vinetiane_0852

  件の14番バスは運行本数も多く便利。ただし最終が18時台と早いので、利用のさいには注意したい(ビエンチャンの商店群もまた店じまいが早かったのと共通する習慣だろうか?)。ちなみに元「都バス」ではあるが、飛ばすことはまったくなかった。ごくごく限られたなかでの感想にすぎないが、交差点の信号はわりと安心して渡れたし、自動車の運転はわりと温厚な印象で、交通法規にしても守られているように思えた(あたりまえっていやいえるのだが、この点であまりほめられない国や街は決して例外ではないだろう)。もっとも、トゥクトゥクやバイクの往来が激しいなど、賑やかさという点で日本の感覚とはだいぶ異なっているのだが。

Friendshipbridge_0856

  友好橋のイミグレーション。時間には余裕があるし、越えるのがもったいないような……。

Friendshipbridge_0865

  旅行案内書などにも記されていることだが、ラオスのイミグレーションは週末やそれ以外の日でも時間帯によっては「手数料」を徴集される。往路のターナーレン駅では窓口で支払うとハンコを捺したパスポートが返却される流れだったが、こちらではパスポートコントロールを済ませるとご覧のような「自動改札機」が待ち受けていた。この左側に専用の窓口があり、そこで手数料と引き換えに手渡される通過用のカードを使って関所をパスするのである(頻繁に行き来するラオス・タイ人に向けには別途の通行証のようなものが発行されているようだ)。

Friendshipbridge_0868

  いよいよ国境越え。友好橋区間は専用のシャトルバスが運行されている(青い看板のところがその切符売り場)。

Friendshipbridge_0873

  前日に列車で越えた国境をバスで辿る。

Nongkhai_0514

  友好橋ノンカーイ側イミグレーション。
  そこでイミグレーションカードに記入していてふと気づいた。タイ(ラオスも)のカードには「滞在先」を記入する欄があり、ホテルなどが予約してあればその名前を記入すればいい。ところが、今日はこのままノンカーイから夜行列車でバンコクに戻り、その日の夜行便で日本に帰国するため、「滞在先」などと問われても……という気もする。まぁ、適当にホテル名を記しておけばよさそうなものだが、念のため係員に訊ねてみた。すると、「ぁあ」と納得した表情で、件の欄に「Nongkhai」(ノンカーイ)と一筆。なんのことはない、なにかしら記してあればそれでいいということのようだ。

  もっとも、バンコク・スワンナプーム空港のイミグレーションに1泊目に予約しておいたホステルの名称「@Hua Lamphon」を書き込んでおいたところ、施設名だと理解してもらうまでにひと悶着が起きた(ヘンに疑われたふうではなく友好的な対応ではあったが)。ホステル名の「アットフアラムポーン」の「フアラムポーン」はまんまその地域の呼び名。バンコク中央駅であるクルンテープ(地下鉄駅はフアラムポーン)駅の真ん前という立地のよさから選んだホステルではあるが、知らなければ「フアラムポーンはわかったからそのどこなのよ?」と訊きたくなるのが人情というものであろう。とはいえ、昨年11月も同様のカードを提出したけれど、そのときはなんの問題もなかったし、ノンカーイでは単にノンカーイでよかったんだからねぇ……。

  コレには後日談(?)があって、スワンナプーム空港での出国のさい、順番まであと3〜4人というところでふとイミグレーションカード(ノンカーイで手続きした半券)に目をやると、それは出国用ではなく入国用のほうであった……。あの「Nongkhai」の係員が間違えたのである。仕方がないので、そしらぬ顔でパスポートとともに提示したところ、なにごともなく笑顔で通してくれたが、国や係員によっては不愉快な思いをさせられるネタになる可能性もあるのではアルマジロ?  まっ、ケンチャナヨである(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

Nongkhai_0876

  友好橋からは徒歩でノンカーイ駅へ。駅裏に広場というか更地があるのだが、週末ということだろうか、青空市場が開かれ賑わっていた。

Nongkhai_0884

  ターナーレン発・国際列車の夕方便が到着。往路に乗った列車と同様に、通い慣れたふうなひとびとがホームに降りてきた。

Nongkhai_0901

  バンコク(クルンテープ)ゆき急行78列車。左にいるのは快速134列車。ともに3等車(ボックス席)主体の座席車オンリー編成である。しかし、快速のほうは2・3等ともにデッキつきで、こと車両に関していえば、どう考えてもこちらのほうが格上。唯一、急行の2等車はエアコンつきではあるものの、どちらかを選べと言われたら、乗り心地から考えて迷わず快速のほうだろうなァ……。

Nongkhai_0906

  急行につづき快速もバンコクに向けてノンカーイをあとに。

S26_0909

  こちらはこれから乗り込む特急26列車(写真は食堂車)。11月にチェンマイで見送った新型車両であるо(^ヮ^)о

S26_0913

  タイ国鉄公式サイトを通じて、2等寝台下段をキープしておいた。

S26_0922

  走り出すとほどなく係員がベッドを設営。終着駅到着1時間ほど前に再び座席に戻されるというのがタイ国鉄流だ。しかし、この列車は19時発6時着と行程の大半が夜行時間帯。わざわざ走行中に作業しなくても、発車前(朝方にノンカーイに着いたまま駅構内でヒルネをしている)と到着後にやるほうが、係員・乗客の双方にとって有益ではないかと思うのだが……。
  とはいえ、かつては日本の国鉄でも見られた「懐かしの場面」がこうして現役でいるのは、鉄道愛好家としてはうれしいかぎり。

S26_0926

  新型だけあって、食堂車も現代っ子といった風情。ノンカーイ駅構内にあったらしい食堂は廃業して久しいようで、駅前も閑散としていううえ、あえて入りたいような店がないため、列車メシを楽しみにしていたのはいうまでもない。タイの寝台列車では食堂車クルーが夕食などの注文に回っており、11月に乗ったチェンマイ〜バンコク間の特急でも、調理したてのタイ料理が心身を満たしてくれたものだった。ケータリングを頼んでもよし。食堂車に切り出してもよし。ワクワクしながら乗り込んだのでありMASITA。が〜。

  ベッドが設えられてからも来るハズの注文とりがやってこないではないか。なんにしてもこのままでは楽しい寝台列車の旅がすきっ腹を抱えた道中になってしまうところであった。再び、が〜〜……。

S26_0927

  チェンマイ特急にあったタイ料理定食なんぞ写真入りメニューには陰も形もナシモフ。わずかにスープ料理系というかナベ系というか、そのテの料理が載っていたので頼んでみたところ、だいぶ待たされた挙げ句にお出ましになったのは「お湯を注げばケンチャナヨ」といった風情のコレであった。まぁ、味は悪くなかったが、メニューにもほかのテーブルにも酒のさの字もなく、食堂車を謳っていながら係員つきのラウンジカーと化してしまったようだ(スナック菓子の類やソフトドリンクの販売もある)。少なくともこの26列車に関しては。

S26_0935_2

  洗面所やトイレもキレイ。やや手狭な印象も受けたが、トイレは安心して使うことができた。

S26_0931

  かつては日本でもこういう情景があたりまえにあった。寝台列車という、こんなに快適で便利な乗り物をほとんど放棄してしまったに等しいわが国の現状は残念でありもったいないとも思うワケだが、まぁいい。去るものは追わず。こうして外国に繰り出せばいいだけの話である。
  ちなみに、この新型車両にはなんと車内放送がある。ビデオモニタまで天井から下がっているが、欧米人向けの観光案内でもしたいのか、英語によるバンコク案内、それも同じヤツが大音量で延々と繰り返される始末。まっ、イロイロあるさと放っておいたけれど、食堂車(こっちは静か)から戻ってもまだ同じのをループしたまんまだったので、さすがに車掌に申し出て止めてもらった(持参の「指さし会話ミニ・タイ」──田村社長、ご無沙汰しておりますm(__)m──の「うるさい」というのを本の狙いどおりに用いたところ、すぐにわかってくれて止めてくれた)。乗客の大半を占めていたと思われるタイ人にとってもうるさいのは一緒なのではないかと思うのだが、そういうのはあまり気にかけないものなのだろうか。そんなのを観察するのも外国旅行の面白さではありますね。
  つづくо(^ヮ^)о

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.08

ビエンチャンの水は旨かった!?・・・の巻

Vientiane_0786

  つつがなく辿り着いたビエンチャンではあるが、早くも夕暮れが迫りつつあった。

Vientiane_0798

  いうまでもなくビエンチャンはラオスの首都。活気の感じられる街ではあるが、田舎町の風情がそこここに漂っている。トゥクトゥクとバイクが盛んに行き交い、ちょっと歩いていると「トゥクトゥク?」と運転手から声がかかるのも楽しい。

Vientiane_0799

  そんな街の一隅に大韓風味を発見。백두산한의・・・とあるのは「白頭山韓医(療院)」、韓方医が店を構えているのであろう。

Vientiane_0803

  東京やバンコク、あるいはソウルのように巨大なビル群が濫立しているワケでもないので空が広い。

Vienriane_7139

  ホテル自室には「ミニバー」のサービスが……。使う使わないは別として、あるとなんとなく安心感がある。スナック菓子やチョコレートバーなんかもあるし……と思った。が~。問題はその値段。コカコーラ$10.000?  왜〜、1万ドル〜っ?  ほかも同じか似たようなものだ。たぶんこの「$」はラオスの通貨「キープ」のことなんだろうだろうけど、万が一ということもある(笑)。おそろしや(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

Vientiane_0800

  で、19時をちょっと回ったころに、ラオスの夕食を求めて街に繰り出した。ところが、市場の半露店といわずショッピングセンターといわず、ほうぼうで店じまいがはじまっているではないか。ホテルに隣接してショッピングセンタービルがあり、いざとなれば外国人観光客向けの飲食店があるのではないかと思っていたが、そっちはビルそのものが早々と閉店というていたらく。食堂らしい店もみあたらず、ターナーレン駅からバス通りまでの間でいくつも遭遇した「しゅぽ」すらないのである(もちろんコンビニも見当たらなかった)。
  仕方がないので、市場でカップ麺と飲み物、さらにくだものをいくつか買い込んでホテルに戻ったのでありMASITA。まぁ、こういうのはひとり旅の気楽さでもある。

  せっかくなのでラオスご当地の「ラオビール」も賞味。コレがなかなかイケたのだが、それよりもなにもホテルの水道水にこのうえなくソソられてしまった。うがいや歯磨きのときにコップでグィっと口に含むと、うんと上質な絹のような口触りが脳髄を刺激するのである。冗談でなしに、こんなに旨そうな水を口にしたことはない。
「ぁあ、このまま一気飲みしたら、どんなにか旨いだろう……」
  そんな誘惑に襲われながら歯磨きなんかをするワケだが、ふと冷静になってニオイをかいでみると、そこはかとなく生臭い。コレが日本の水道水だとカルキ臭になるが、どっちのほうが人間の身体にやさしいのかはいざ知らず、どうにか「勝負」に出るのを思い留まったのであった(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

  しかし、このビエンチャンの水を原料にミネラルウォーターをつくったら大ヒットするのではアルマイトの弁当箱?  ちなみに、ビエンチャン市販のミネラルウォーターもそう思わせるものではあった。

Vientiane_0808

  ィ翌日は歩ける範囲でビエンチャン散歩を楽しむ。

Vientiane_0812_2

  同じ仏教寺院でも、タイのそれとは異なる風情がある。

Vientiane_0819

  きちんとした知識を持ち合わせてないのが生憎だが、年月を感じさせる仏塔の類が目立つ。

Vientiane_0825

  女性のようである。

Vientiane_0830

  ふと「ウルトラセブン」の“封印作品”を連想した。

Vientiane_0831

  観光地ではあるし首都でもあるが、存外に静かな散策が楽しめたビエンチャンの寺院群であった。

Vientiane_0835

  アヌーボン王像がメコンを見守る。

Vientiane_0834

  捉えどころのないメコンの風景。きっと、雨季になるとガラリと違った貌をみせるのであろう。

Vientiane_0836

  生活を支えている。よそものはマネをしないほうがよさそうだが。そういえば、メコンに流れ込む小川というか沼地で、ルアー釣りにいそしむおとっつぁんの姿があった。トップウォータープラグを投げ込んでは「スーーー」っとスピーディーに引っぱるという明け暮れで小技はなし。いったいなにを狙っていたのだろうか……?

Vientiane_0845

  相変わらず食堂に出会わない散歩であったが、件のショッピングセンターにファミレス風情の店を発見したので昼食とした。なんという名前なのかはわからないが、この野菜いためは絶品о(^ヮ^)о  刻みニンニクを散らした魚醤をベースに、さっといためた野菜が香ばしい。コレを食べるだけのために再訪をしたくなるほどであった(別段、珍しいシロモノではないのだろうけど)。

Vientiane_0789

  ノンカーイなどとを結ぶ国際バスも運行されている。

Laos_0795

  ところで、タイと同様にラオスでもイミグレーションカードが必要なのだが、ふと裏面を見てみたらこんな案配。広告つきイミグレーションカードって、ほかの国にもあるのだろうか?
  つづくо(^ヮ^)о

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017.07.02

国際列車でメコンを越える・・・の巻

E917_0676

  タイ・ラオス国際列車に乗り込む。左手の駅舎にイミグレーションがあり、もちろん所定の手続きを要するが、そんなことをしなくても、とりあえず列車内に入れそうなゆる〜い雰囲気であった。これなら、韓国の都羅山駅(民間人統制区域内で立ち入り制限がある)訪問のほうが比べものにならないぐらい物々しく越境感が濃厚。もちろん、韓国と北朝鮮とが休戦下にあるがゆえの実情ではあるが、こんなところにも平和のありがたさを感じないではいられない。

E917_0684

  西洋人観光客で賑わうというイメージを抱いていたが、車内はまったくの普段着仕様。ちょっとそこまでといった風情で草の根の貿易にいそしむひとびとの日常を運んでいるようであった。みたところ、タイないしラオス人でないのはオレひとりだったようだ。

E917_0688

  ここが国境駅であることを主張するノンカーイ駅名標。

E917_0701

  国境を越えるとはいえ、道中はきわめてのどかо(^ヮ^)о  ほかのどん行列車と同様に、窓を開け放ったままである。

E917_0711

  国境をまたぐ友好橋に突入。列車が通るさいには自動車はシャットアウトされる。

E917_0723

  いよいそラオスへの越境。

E917_0727

  ラオス国旗。橋上の歩道と下界とを結ぶ道もあるようだ。

E917_0728

  ラオス側メコンぞいの幹線道を渡る。

E917_0735

  集落もごくふつうに。どうも風通しがよくなさそうなつくりにみえるのだが、これがラオスふうなのだろうか?

E917_0743

  ラオス側の国境駅ターナーレンに到着。たった2往復きりの運転で、ほかに貨物列車があるわけでもないが、構内に側線があるところをみると、発展させる計画があるのかもしれない。

E917_0758

  国境らしいというか国際列車らしい華やぎがまったくないのはノンカーイと一緒であった。ホームにイミグレーションの窓口があり、そこで入国手続き。イミグレーションカードが見当たらないので、そのままパスポートだけを差出すと、その場でカードを手渡された。土曜日なので50バートを召し上げられる。おつりはラオス通貨のキープ。ビエンチャンではバートが通用するというので両替しないで済ませようと考えていたが、こうしておつりがキープでくるのはその手間がはぶけてありがたい。

Thanaleng_0766

  ターナーレン駅。駅周辺は西部劇状態でなにもなし。ワゴンタクシーのおっさんが「300バートだ」というのを「高いわぁ!」と振り切ったが、かといってほかに街までの交通機関がないのもこの駅のイイところ(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)  だが、値段云々(うんぬん)をさておいても、どうもあのおっさん自体が気に喰わない。ゆえに無視を決め込む。

Thanaleng_0763

  ホーム上だけでなく、駅舎内にもイミグレーション窓口がある。このときは閑散としていたが、混み合うこともあるのであろう。

■タイ・ラオス間国際列車時刻表(2017年5月現在)
・ノンカーイ7:30(913列車)7:45ターナーレン
・ノンカーイ14:45(917列車)15:00ターナーレン
・ターナーレン10:00(914列車)10:15ノンカーイ
・ターナーレン17:30(918列車)17:45ノンカーイ
◎運賃20バート(30バートなりの2等車も案内されているが、そんなものがあるならぜひ乗ってみたいものですなァ……)

Thanaleng_0767

  ワゴンタクシーを断ったので歩くほかはない。しかし、歩けばこういう物件が目に止まる。日本やタイと同じく蒸気機関車のピクトグラムである。この標識、ラオスではココにしかないのではアルマイトの弁当箱?

Thanaleng_0769

  駅前通り。駅はちょっとした彼方。門があるところをみると、最終列車が出たあとは立ち入りできなくなるのかもしれない。

Thanaleng_0771

  .ラオス唯一のふふ、ふ、踏切。

Thanaleng_0772

  彼方のターナーレン駅を望む。

Thanaleng_0782

  で、それしかないワゴンタクシーを断ったのは、少し(3kmぐらいか?  場所的には10点前の写真の道路)ばかり歩けば、ビエンチャン市街とを結ぶ路線バスがあるのをわかっていたからであった。しかも20〜30分程度の間隔で運行されており、バス通りにさえ達すれば容易に市街地にゆけるというワケである。
  しかもこのバス、東京圏のひとにはわかると思うけれど、元東京都の「都バス」である(ビエンチャンも「都」なので、「都バス」という点では変わりはないのだということをたったいま気づいた)。日本から譲渡された車両で、ビエンチャン市民の足として愛用されているようだ。ただしラオスは右側通行。外観こそ(東京都の)都バスそのものといった風情ではあるが、ちゃんと左ハンドル化されており、南国らしく冷房の強化もはかられていた。この14番バスは友好橋をバスで越えるときにも利用できるのでオススメ(帰路はその乗継ぎでノンカーイに戻った)。
  つづくо(^ヮ^)о

| | コメント (0) | トラックバック (0)