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2022.12.09

軍事費大増計画の正体・・・の巻


 手にした刃物で料理や工作などをするか、それとも人殺しをするのか。

 ここでいう「刃物」を「法の解釈」に差し替えうるのが、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐる訴訟における沖縄県の上告を棄却した日本国最高裁であろう。

 件の裁判は、辺野古に計画されている米軍新基地建設をめぐり、沖縄県が工事関連の埋め立て承認を撤回したことに対し国土交通省が県の措置を取り消したことを違法として、県が国を相手取って提起した抗告訴訟である。今回の最高裁による「門前払い」は、本件において県の原告適格性を認めたいというもので、おそらくそれそものもは日本国の法の解釈としてありうる判断なのであろう。一方で、そもそもの発端である埋め立て承認についての判断はなされていない恰好となった。

 沖縄県の玉城デニー知事は、今回の判決において地方自治体と国との間に「上級・下級」関係が顕在しているとした判断であると指摘。地方自治という点での問題点を指摘している。

 最高裁のやり方は、法という点ではたぶん誤りではないのであろう。同時に、「法は正義ではない」というありきたりな事実を目の当たりにした思いだ。我が国の法、そして司法ははたしてどこを向いているのだろうか?

 我々にできることはわすかかもしれないが、珍しくも関連する署名サイトをリンクしておく。

辺野古新基地建設の断念を求める請願署名のお願い=辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議

 さて、我が国における軍事予算大幅増──それもそれ目的の増税を前提に──が国政で遡上に挙げられている。おそるべきことに、賛意を占める国民が過半数に達しているとの報道もあるが、ロシアによるウクライナ侵略や中華人民共和国の覇権主義──戦前の我が国における大東亜共栄圏だの三光作戦だのを連想させられるが、実態はさらに巧妙かつ危険なものであろう──などが「賛意」の背景にあるのかもしれない。

 しかし、いかに軍事力で対抗しようとも、いったん戦争がはじまればそれを終わらせるのが至難の業であることは、いくらかでも歴史を学んでいればだれにでも理解できることだ。ロシアがそれに苦慮している可能性もあるが、いまだ終戦となっていない朝鮮戦争──攻め入った金日成は3日で戦争に勝利する計画であった(『朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀』萩原遼)──や「勝敗」もなにもなく終結した米国によるベトナム侵略など、そのセオリーを物語っている事実はあまりにも多い。くわえて、現状における我が国の軍事力が世界的に見てどのレベルに達しているのか、いまいちどおさらいしてみるがいい。

 そんななか興味深い報道もあった。

 数日前、NHKが流している各国テレビ局のニュース番組で、オーストラリアとシンガポールが世界の同じ動向について報じていた。中国の台頭とそれに対抗する米国主導の軍事同盟である。その米国主導の米日豪軍事同盟に「日本を加えた」と正直に報じているのである。

 これはすなわち日本による祖国防衛ということではなく、あくまで中国という単一の国家を標的とした軍事同盟であり、かつ米国の主導(都合と置き換えてもいいか?)で軍備強化をするということだ。

 そしてそれと並行して我が国で遡上に挙げられている大幅な軍事費増。この両者が関係ないとは言わせない。言い換えると、いま自民党などが進めんとしている軍備強化は、我が国にその主体性は皆無。あくまで“宗主国”たるアメリカ合州国の都合に過ぎないとの解釈ができよう。そこには、当然のこととして米国製の兵器──新製品とは限らず、とんだポンコツ中古を掴まされるのかもなァ──の売買が顕在しているワケだ。そんなもんにつぎ込むカネがあるんなら、消費税を廃止するなり、エネルギー高騰に対応するなり、食糧自給に真剣に取り組むなりいくらでもやれることがあろうし、それもまた祖国防衛なのではないのか?

 断っておくが、オレも中華人民共和国(周近平帝国)の思想や動きにはキナ臭いものを感じている。人権無視のあの横暴国家に、なんとかしてブレーキをかけられないものかとも思う。だが、それを軍事力に頼っていいのか?

 しかも米国主導のそれは、けっして我が国の防衛を主体に置いてはいないし、仮に米国と中国との間でいさかいが起きれば、第三国であるハズの我が国にも直接的な影響が及び兼ねないのである──防衛のためのつもりが、逆に危険因子となるワケだ(そもそも、中国にとっていまの我が国なんぞまったくのおみそなのと違うのか? 交渉ごと然り。軍事面然り。経済面然り……。習の対外的な発言を見てみれば、それは十分に考えられる)。

 繰り返すが、少なくともオーストラリアとシンガポールでは、日米豪による軍事同盟の狙いと正体が堂々と報じられている。言うまでもなく、辺野古計画もそこに含まれる。それに目隠しをする我が国家と目をつぶる我が国マスコミ。こういうのを「平和ボケ」というのである。


 

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