JRグループはカネモウケのための会社か?・・・の巻
北海道新幹線の札幌延伸開業のさい、現在の(旧国鉄)函館本線の小樽~長万部間が、現在の事業主であるJR北海道から切り捨てられることになっているが、さきの3月27日、沿線自治体が鉄道存続を断念したとの報道があった。
これは、北海道新幹線が「整備新幹線」計画の一環であることと、それにからむ「整備新幹線着工等についての政府・与党申合せ」などを根拠する措置に基づく事態である。詳細については割愛するが、申し合わせでは、「建設着工する区間の並行在来線は、開業時にJRの経営から分離することを認可前に確認すること」としており、現状でも九州新幹線鹿児島ルートと並行する博多~八代間と川内~鹿児島中央間などを除き第三セクター化されている。
タテマエはともかく、ようは赤字必至の在来線を国策会社であるJRから切り離すことによってJRを保護するということで、そこには沿線使用者や主要な引き受け手となる沿線自治体に対する配慮などほとんどないと言っていいのではないかと考える(補助金の類や、移管後もJR側が相応の施策をとるといった安全弁は用意されているが)。
そして、今回もまたそんな逆立ちしたタテマエや前例に乗っかるかたちで、「おいしいところ」だけを懐に入れようとしているのがJR北海道ということのようである(とはいえ、北海道新幹線が「おいしい」かどうかはかなり怪しい。十数年、あるいはもう少し先になって、「北海道新幹線なんぞより、在来線を大切にしているほうが長生きができたのに……」などというザマにならなければいいのだが)。
昨今、国鉄末期ほどの騒ぎではないにせよ、赤字ローカル線の廃止が実施されたり、取りざたされたりしている。JR北海道でいえば、留萌本線の留萌~増毛間や日高本線の鵡川~様似間、札沼線の北海道医療大学~新十津川間が廃止され、根室本線の富良野~新得間も命運が尽きつつある状況だ。ほかにもJR西日本の三江線などが姿を消したが、経営不振や新幹線開業などを言い訳に、さらなるローカル線切捨てが強行されようとしているのである。やや言いがかりっぽくなってしまうが、高速道路と引き換えに地方道を廃止してしまったら、交通網がどうなってしまうのか、考えてみるまでもないハズだ。
これはあくまでオレ個人の所感にすぎないのだが、JRというのはそもそもそんなことが許される会社なのだろうか。あのグループ数社は、経営破綻した国鉄を引き受け、なかにはその危機を乗り切ったうえで、一部では順調な業績を上げているというプラス面もある。だが、彼らの社会的任務は、わが国の鉄道をはじめとする公共交通を健全に守ってゆくというところにありはしないか?
残念ながらローカル線の経営が厳しいのは確かであり、大都市輸送や新幹線、あるいは不動産や物販などで利益を確保し、それら赤字交通を守っているという面もあるとは理解しているつもりだ。しかし、そもそも大前提がわが国の交通網を維持し、利便性をはかる──新幹線利用者もいるワケだが、地方の生活路線利用者だっているのである──ことである以上、仮に経営が厳しいなどと言い訳するのであれば、それ自体が企業としての責任を果たしていないことになってしまうではないか。JR北海道はほかにも路線の廃止を示唆しているようだが、オレ個人としては、過去に遡って経営陣に対する直接的な責任追及するべきではないかというぐらいに憤っている。
世間がそうなのか、はたまたJRグループという企業体自身がそうなっているのかはともかく、彼らの動きを見ていると、「カネモウケ小児病」に罹っているのではないかと揶揄したくもなってくる。もとい、利益を出すことは大切なのだ。だが、それはなんのための利益なのか。利益と同時、あるいは利益以前に、自らに課せられた役割と責任とはなんなのか、こんなことはプロフェッショナルに対し甚だ失礼なたわごとにすぎないと承知しているが、祖国の鉄道を愛する者のひとりとして、もっと鉄路の隅々まで大切にできないものなのだろうかと残念に思うのである。
さて、そんなさなか、JR四国が沿線バス会社との間で共通運賃制度を導入した。韓国や台湾などの例を見てきた立場からすれば「いまごろになってねぇ……」と皮肉りたい部分もあるにはあるけれど、この取り組みを歓迎し、陰ながら応援したいと思う。地域の足を、ネットワークとして守ってゆこうという意志をそこに感じるからだ。がんばれ、JR四国!
ついでに蛇足をひとつ。
昨今、JRに限らず、「減量ダイヤ」が進められている。いちおうは新型コロナ禍というイベントリスクに晒されているという事実はあるが、はたして原因はそれだけだろうか。もっと根本的な経済衰退が背景にありはしないのか。素人目線にすぎないが、ちょっと気にかかっている。
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