三つ子の魂なんとやら・・・の巻

本書『歴史和解と泰緬鉄道 英国人捕虜が描いた収容所の真実』(ジャックチョーカー著/朝日新聞出版)が報告する旧日本軍捕虜収容所。
誤解を避けるため、これはもちろんこの一編や一事件のみの感想や憶測として語っている話ではないことをお断りしておく。
ひょっとすると、日本という国の権力体質は、この時代からこれっぽっちの変化も進歩もしていないのではあるまいか。残念ながらそんな思いにもとらわれる。
2021年3月6日、名古屋出入国管理局に収容されていたスリランカ人女性が亡くなったという事件があった。前年8月20日から半年以上も拘留された挙句の憤死である。
この問題は国際的な関心を呼び、その後の“調査”で食道炎を患っていたことや、それに対する治療をこれっぽっちも(とあえて言う)してこなかった実態などが明らかになった。
>ウィシュマさんに対し職員が、食事の介助中にうまく飲み込めなかった様子を見て「鼻から牛乳や」と言ったり、死亡当日、処方された抗精神病薬の服用後ぐったりしているところに「ねえ、薬きまってる?」と話しかけたりしていたことを確認。職員は調査での聞き取りに、介助の負担が重くなるなか「職員の気持ちを軽くしたかった」などと述べたという。(「入管の体制不備を指摘 スリランカ女性死亡で最終報告」朝日新聞デジタル2021年8月10日)
引用記事の見出しでは「体制不備」となっているが、これはもう「不備」などというレベルで語れる不祥事ではない。個人的に、「祖国日本はもはや法治国家ではなく幼稚国家である」と嘆いて久しいが、こんなところにもその「本性」が顕われたとも受け取れる。
しかしどうもこういうセンスは、あの戦時中の外国人捕虜への扱いなどにも顕在していたようだ。もちろんそうでない「例外」もあったようだが、こういう事件を知るにつれ、ニッポンジン、とりわけその権力者たちには「反省」という言葉がないのだなということをかみ締めざるをえない(場面は異なるが、あのケーセッキアベ時代の不祥事──なかには「疑獄事件」もある──をなんら検証しようともしない自民党総裁候補の面々を見られよ!)。
さて、本書の感想はいずれ別の取り上げ方で綴ってみたいと考えているが、念のため少しだけ小さな言及をしておきたい。
本書の著者である英国人ジャックチョーカーさんは、かつて日本軍の捕虜とされ、あの泰緬鉄道建設などに借り出された人物である。次々と捕虜が絶命してゆくなか辛くも生き延びたわけだが、その後「和解」に向け英国や日本でさまざまな交流を試みてきたという。先に「反省」と記したが、そういう単純化した話ではなく、相互に未来を生きるためにどうしたらいいのか。思案や行動、交流が求められている。
残念なことに、ではあの時代になぜ英国がアジア諸国に足場を築いており、そこでなにをやっていたのかという点についての著者の考えが窺がえてこないことや、米国が炸裂した2発の原爆が太平洋戦争終戦──それは筆者ら捕虜の解放も意味した─を実現したと手放しで評価している点などが気にかかった。ここで「英国だって酷いことをしていただろう」などと話のスリカエをする意図はないし、個人的には鉄道建設をめぐる世界各地の歴史(英国と鉄道がらみであれば、ビルマやマレーシア、インド、ケニアなどではどうだったのか?)に関心があるので、そうしたなかでの一冊としての価値は高いのだが……。
話かわりますけど。
これはまぁ単純な与太噺なのだが、毎度おなじみ北朝鮮ミサイルである。
もちろん、核爆弾搭載が可能である点などを踏まえれば油断しれはならないし、これ以上の暴挙を止めなければならないのは言うまでもない。しかし、わが祖国の政府は、本気で彼らの暴走を止めたいと考えているのだろうか。
きちんとデータを整理したうえでの話ではないので「印象批評」となってしまうが(ゆえに「与太噺」なのである・笑)、今回のミサイルはわが国の総選挙を控え、さらに与党自民党の総裁選びというタイミグで発射された。過去はどうだったか? オレにはどうもここに目くらましの意図を感じないではいられないのだ。
そもそも、北朝鮮がああいう国のままであり、朝鮮半島が分断されたままでトクをする連中がいるのである。残念ながら、わが国政府や財界もその手合いだろう(無事に統一を果たしたら、それはそれでカネモウケの絶好の機会でもあるんじゃないかと思うんですがね)。最大の理由は軍需産業を中心としたカネに違いない──北朝鮮がああであるかぎり軍需面で“持続可能”なカネモウケが約束される──が、今回のようにある種「イデオロギー」的ツールとしても活用していると思われる。ゲスの勘ぐりをするならば、使途不明のある種の公金がそういうところに流れているなどということはないのかとも妄想してしまう。ミサイルをつくってぶっ放すのだってカネはかかるからだ。
あのふとっちょあんちゃんらにとってみれば、自分の安泰さえ約束されていればいいとも推測できる(そういう指摘も多い)。これ以上のデマカセは差し控えるが、「やはりぶっ放しましたな・・・」というのがあの発射を知ったときのオレ個人の最初の感想であったことを記しておきたい。
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