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2020.09.02

自滅ゆき超特急に乗るのはだれか(後編)・・・の巻

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  この直前までスヤスヤと寝ておりMASITA。

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  左下:母・ヒメ。右下:ちょび、右上:ユメ。中央:7月生まれのクルミ。

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  そら(左)はユメ兄貴が大好き。

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  コムギの寝かた……。

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  いっちょまえなポーズで熟睡中のそら。

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  ももたん毛づくろい中。ヒメ家族中、唯一シッポが短いのだが、ヒメの男と思われる白黒おじさんと金宗瑞、首陽大君のお三方はいずれもシッポが短い(「공주의 남자」って大韓時代劇もありましたなァ。日本では「姫」ではなく「王女」とされたが、ウチのヒメを王女と呼ぶにはかなり抵抗がある・笑)。

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  なぜかピアノの上が好まれているのである。

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  そら&クルミもまた然りо(^ヮ^)о

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  話かわりますけど。
  いまから30年近く前になろうか、当時勤めていた会社で机に向かっていると、先輩(女性)が「ねぇ、ねぇ?」と声をかけてきた。
「橋本まで行くんだけど、どう行ったらいいの?」
「橋本ですか?  ぁあ、それならリニアに乗っていけば速いですよ」
「えっ?  アレってもう走ってるの?」
「知らなかったんですか(笑)?  新宿の小田急百貨店がありますよね、その地下5階に駅ができたんです。でも、橋本に停まる列車は少ないので、気をつけてくださいね」

  で、そのおよそ半日後……。

「ウソじゃないのよっ!!  そんなものどこにもなかったわよっ!」
「えっ? まさか新宿で乗り場を訊いたりしちゃったんですか(笑)?」
「………………」
「(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)……」

  他愛のない思い出話だが、そのリニアそのものが現実の話として動き出し、その実態が垣間見られてくると、そんな冗談を言う気にもならなくなってきた。

  前回アップに引き続き、JR東海が進めているリニア中央新幹線問題について、オレ個人の所感を記しつつ参考書の紹介をしてみたい。

  本書『“悪夢の超特急”リニア中央新幹線<建設中止を求めて訴訟へ>』(樫田秀樹・旬報社)は、リニア中央新幹線建設計画によって浮上したさまざまな問題点を提起するとともに、計画によって被害を受けたり受けつつあるひとびとや地域を綿密に取材しつづけ、その途中報告をまとめたノンフィクションである。
  タイトルとオビに「訴訟」の文字があるとおり、このリニア建設計画をめぐっては、すでに訴訟が起きている。いや、原告側としては起こさざるをえない状況に置かれていることが、本書を通じて理解できた。

  そうした動きの輪郭程度は自分なりに掴んでいたつもりだったが、本書を読み進めていくうちに、これまで持つべき関心を持っていたとは言い難かった自分に腹が立った。

  怒り。猜疑。恐怖。失望……。もっとぶっちゃけて言えば「ふざけるなっ!」というところかもしれない。

  それにくわえ、不誠実極まる勘違い企業──。わが国を代表する巨大鉄道会社のひとつ、JR東海こと東海旅客鉄道株式会社について、オレはあらためてそう思ったものである。

  断わっておくが、駅や列車内などで出会う同社社員について、オレはけっこう好感を抱いてはいる。簡単なやり取りからときに込み入った質問などに対する同社社員の対応は明朗かつきちんとしているケースが多い。ローカル線などで社員と立ち話になったりすると、仕事に対する熱意とともに、利用者に対するざっくばらんな優しさ──この場合、オレは列車に向かってカメラを構えていたりもするので、“レールファン”に対してもと言い換えてもいい──を感じることも多々あるからだ。いい意味での余裕すら感じられるのだ。逆に及第点すらあげたくないのが……とりあえずやめておこう(笑)。

  だが、そんな同社も、そうした利用者から乖離した部隊になると、まるっきりセンスが逆転してしまうようである。これはJR東海がいかに反論しようとも、その証拠が本書には万遍なく列挙されているので明らかだ。

  リニア中央新幹線の利点。これはもう唯一といって差し支えないが、東京と名古屋、大阪とを東海道新幹線と比較して半分にも満たない短時間で結ぶということになる。品川〜名古屋間40分、品川〜大阪67分という計画は、陸上交通機関としては革新的な数字であることは間違いないだろう。

  しかも一度に1000人規模の乗客を輸送することが可能。最大で500人前後という旅客機と比べた優位性はまさにここにあると考える(現状の国内線の場合。最大のボーイング777-300で500〜514席。LCCで好んで用いられているエアバスA320シリーズだと150〜180席程度)。空港アクセスについては羽田と伊丹では大きなビハインドになっていないと思うが、空港そのもののキャパシティや「横田空域」による飛行制限という深刻な問題もあり、こうした要素だけを見る限りにおいて、東京〜京阪神間でリニアは強力な輸送機関となる可能性はある。

  しかし、大阪開業は早くても2035年。いちおう2027年に名古屋までが開業するとアナウンスされているものの、その暫定開業期間に大阪やそれ以西への乗客が好んでリニア乗り継ぎを選んでくれるのかという疑問はある。これは、単純に名古屋における乗り換えの煩雑さが嫌われるという心理面だけでなく、おカネの面でも現状より不利になることが考えられるからだ。

  JR東海はリニアの運賃・料金について東海道新幹線の1000円増し程度と説明しているようだが、仮にそのとおりに収まったとしてもそうはいかない可能性があるのだ。前回紹介した『必要か、リニア新幹線』(橋山禮治郎・岩波書店)では、リニアがほかの鉄道との直通運転が不可能なことなどに触れ、鉄道の強みであるネットワークが生かせない乗り物であることを指摘している。これは実際の移動・乗車という点での視点だが、いまひとつは運賃体系がほかのJR路線とのネットワークに組み込まれない可能性がある点を指摘しておかなければならない。

  どういうことかというと、現状では東京〜新大阪間を新幹線「のぞみ」に乗ると1万3830円(普通車指定席・通常期)だが、もしリニアの運賃・料金(単純に「運賃」とされるかもしれないが)が他路線とリンクしない「打切り計算」となったらどうなるか。品川〜名古屋間が1万2300円(現状の「のぞみ」普通車指定席に1000円をプラス)、名古屋〜新大阪間が6680円(のぞみ)で、合計すると1万8980円となる(「乗り継ぎ割引」が設定されれば若干は下がる)。その差は5150円。加えて、このリニア運賃は品川でも打切り計算となるため、仮に利用者が東京駅発着だとすれば別途に170円が必要で、これは現状で「東京都区内」として計算される新宿や池袋などでも同様だ。こういう懸念(といってもオレが推測しているに過ぎないが)があるなか、建設等にからむ膨大な負債を抱え、はたして大阪開業まで持ちこたえることができるのだろうか。


■山積みする環境問題と不遜極まるJR東海


  速達という利点はさておき、現在浮上している問題点はどうか?  本書でも触れられているが、『必要か、リニア新幹線』では(リニアに限らず)大きく分けてつぎの3つのカテゴリを事業を成功させるための不可欠な要素として指摘している。

・安定的に利益が出る「採算性」
・安全を保障する「技術」
・「環境」への低負荷対策


  橋山氏はそのいずれもがJR東海によるリニア計画がクリアできていないと断言している。また、安全性と環境問題は利用者のみならず国全体として真剣に解決しなければならない必須条件であろう。そして、本書『“悪夢の超特急”〜』で詳細にリポートされているが、すでにこれだけの問題が取り沙汰されるかあるいは現実問題となっている。

・電磁波問題:乗客やリニア沿線住民らにとって問題が起きる可能性はどうなのか?  電磁波に関連する健康問題については明らかにされていない点も多いようだが、危険だとする研究結果も多く発表されている。懸念する声が挙がるのは当然だ。ところがJR東海はそうした疑問に対しこれっぽっちもマトモに答えていないのである。

>「時速500キロで走行中の車内にどれくらいの電磁波が発生するのか」(中略。国土交通省と並び)JR東海も、この数値を一切出さない。(中略)
「(前略)いったいどれだけの電磁波が出てくるのか?」
  この質問にもJR東海は具体的数値を挙げなかった。
(中略)
「走行中車内での電磁波は公表されていない。どれぐらい強いのか」
「ホームページを見てください」
(住民説明会において。108ページ)

  こうしたやりとりは本書で余すことなくリポートされているが、その積み重ねが

>リニア中央新幹線について、JR東海は積極的な情報公開をしていない。(102ページ)

  という断定に結びつくこととなる。電磁波の影響について、

>JR東海が具体的数値を示したことはない。(同)

  のである(つまり、会社側が宣う「ホームページ」上の狡獪おっと公開情報などなんの役にも立たないということでもある)。

・水枯れ問題:リニア中央新幹線で行程の大半を占めるトンネル区間。すでに工事や事前調査などによって河川や生活用水(天然水)の枯渇が発生している。

・残土問題:トンネル工事などによって発生する残土処理をどうするのか?

>JR東海は、住民説明会では、残土の出た地域において、
①JRの事業として、このリニア建設に使う
②自治体の事業として処分する
③処分場を造る
  と三つの方法を説明するが、具体的にどういう事業かの説明はない。
(121ページ)

  具体的な説明がない──。じつはこの指摘こそがJR東海が「説明会」とやらをはじめ住民らを相手に繰り広げているペテンの基本的な手段なのである。その実例もまた、本書で具体的に述べられているので、ぜひお読みいただければと思う。しかもこの残土問題は、すでに現実に起こっていることがリポートされているのだ。

 山梨県笛吹市における例では、残土を満載するダンプカーが毎日100台以上。もともと谷だった土地は、リニア残土によて平坦な地形に変質させられてしまったという。市では宅地としての分譲を見込んでいたようだが、頓挫したままらしい。

※補足:同様に工事用ダンプカーが1日あたり1000台を超える地区──1日最大1736台(長野県上伊那郡中川村)という例も──が本書では報告されている。環境基準70デジベルに対しギリギリの「69デシベル」(JR東海)もの騒音や埃、粉塵などを巻き上げながら数分に1台のトラックが住居や学校などに面した細い田舎道を行き交うのである。それも向こう10年以上にわたって……。

  驚いたのはJR東海の態度で、

>「JR東海は、この問題に対して『こちら側が残土捨て場を選定したわけでも依頼したものでもない』と回答しています。私たちにすれば、トンネルを掘れば残土が出て困るでしょう、地元の協力の一環として(以下略)」(122ページ。山梨県庁の談話)

  とまるで他人事なのであった。これは本書のなかのほんの一例にすぎないが、ほぼすべての分野において、同社中枢の基本体質を顕わしているといっていい。

  このほか、リニアルートとされている岐阜県東濃地区にはわが国のウラン埋蔵量の6割を占めるというウラン鉱床がある。これに対しJR東海はどう見ているか?

>「ウラン残土が出た場合、その処分は具体的には決まっていません」(136ページ)

  同ルートを通る品川〜名古屋間の開業目標は2027年。工事のことを考えれば間近である。ウランの半減期はおよそ44億6800万年(地球上で99%以上を占めるウラン238の場合)である。さらに、一方でこうウソぶいてもいるのだがら仰天しておくほうがいいぞ。

>「ウランについては出ることを前提としていません」(288ページ。JR東海の弁)

●残土問題について、著者によるつぎのリポートも一読の価値大。
  「リニア工事の残土処分のため? 相模原市の急斜面に「不思議な牧場」建設計画」(ハーバー・ビジネス・オンライン)


■計画そのものを白紙にさせるという具体的行動が迫られている


  毎度のごとくついつい長々とやってしまっているが、こうした驚きの事実が途中経過報告として明かされているのが本書である。

  JR東海による逃げ作戦のひとつに、「法令に従い」というのもある。よろしい。これは野党に対する提言でもあるが、仮に国による認可が撤回できないのであれば、つぎのような主旨の立法を働きかけてみてはどうか?

・JR東海(法人)によるリニア中央新幹線事業(建設・運行ほか)に関し発生する諸問題については無限責任とする(賠償や復原など)。

・建設および運営に関わる情報公開について関係者(沿線住民や自治体、利用者を含む)から請求があった場合には速やかに公開しなければならない。

・同事業について、日本政府およびその関連機関は出資、融資、保証、赤字補填の財政援助等は一切しない。


  後段は前出の『必要か、〜』で紹介されている英仏両国によるドーバー海峡トンネル計画をめぐり定められた条件と同様の内容だ(外国の事案とはいえ前例がある)。それに、やましいことがないのであれば──ましてや競争相手もいない公共事業である──具体的な情報を公開できない理由などないハズではないか。責任問題については法人の枠を越え、ゴリ推しする経営者ら(自然人)に対しても無限責任を適用すべきであろう。なんだか「戦犯」事案のようではあるが、ようは「止めておくほうがいいよ」という提言なのである。

  どのみち、リニア建設をめぐっては、大深度地下利用についてロビー活動を通してかどうか(?)強引な閣議決定をでっちあげさせた“前科”があるのである。こうした立法だって十分に可能だと思うのだがどうだろう?

  くわえて、同社が利用してきた(?)あの“ケーセッキ”アベシンゾーも首相の座を退くこととなった。この危険極まる横暴計画を同社に踏み留まらせるためにも、世論の関心をもっと集めさせなければならないと確信した。あれこれ所感を書き出すとそれこそキリがないが、本書をはじめ綿密なリポートや考察はすでにいくつも出版されている。ぜひお読みいただければと思う。

※補足:あくまで個人的な観測だが、リニア中央新幹線の途中駅(名古屋を除く)など、その建設費用──JR東海はビタ一文出さないようだが──の回収すらほとんど不可能であると見ている。なるほど、東海道新幹線時代はたしかに高速鉄道の開業や駅の設置が地域経済の活性化に寄与したけれども、残念ながらもはやそういう時代でないことを認めるべきであろう(北陸新幹線開業で金沢の観光客が増えたなどというのはこれとは別問題である)。

 また、「リニア通勤」ということはたしかにあるかもしれないが、リニアが通ったからといって、はたしてどれだけの世帯がわざわざ沿線の田舎に(首都圏から名古屋などという皮算用もあるそうな?)転居するものだろうか。生活とは勤務だけでないのである。すでに沿線に暮らす世帯にとっても同様で、そんなに都合よく東京や名古屋に就職先が見つかるものなんでしょうかねぇとも思う。今般の「コロナ禍」の影響だって無視できないではないか(勤務スタイルの変化なども)。

 くわえて、リニア中央新幹線は全車指定席で、在来の新幹線などように立席乗車はできないハズである。利用者の大半は全区間直通で途中駅と両端駅間の利用者が若干いると思われるが(途中駅間のみの利用はごく限られる)、たとえば橋本から都心への通勤者に座席の大半が押さえられたとすると、名古屋〜橋本間は空席ばかりということになりかねないワケだ(切符を買えないひとも多々出てくる)。そこで、長距離客が多いほうが収入が増えることを考えれば、橋本〜品川間のような短区間の乗車券の発売制限だって取り入れられるかもしれない。リニア通勤を見込みでもしたら、ヘタをすると欠勤だらけになりかねない。これらは利用者目線での個人的推測である。

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