暴君と腐君との共通点?・・・の巻

↑大韓映画「燕山君」(1961年)。見てぇ~(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)
某社から「世論調査」の電話がかかってきた。2度目の体験である。内容は現政権への支持・不支持を問うものやコロナ対策をめぐる設問が中心だったが、自分なりに誠実に答えておいたつもりだ。
しかし、ひとつ心残りが……。「つぎの首相にはだれが相応しいか?」といった問い。挙げられた選択肢には(当然のこととして?)「相応し」く思う御仁などいないワケなので、「このなかにはいません」と正直に答えてしまったのである。
しまった!
あそこは「ケーセッキ安倍以外ならだれでもいいですよ。いっそのこと、イワシのアタマなんかどうでしょうか」とでも答えておくべきだったなァ。いまさら嘆いても後の祭りだが、まだまだ修行が足らないようである(笑)。
さて、ここ2回ほど再会した本をダシに罵詈雑言などをしてきたが、今回はちょっとおちゃらけつつ、大韓時代劇をダシにしてみることにした。
題材は「王と妃」(왕과비)である。個人的に好きなドラマということもあって、以前にも一度この作品を取り上げたことがあるが、わが母堂が「もう一度見てみたい」というのであらためて鑑賞してみたのであった。
この作品、はじまりにいきなり「대하드라마(大河ドラマ)」の文字がド~ンと現われるが、つくるもつくったり全186話なのだから、まさに「大河」といえるだろう。
おおまかには、朝鮮王朝第5代王「文宗」の最晩年から第10代王「燕山君」が失脚するまでが舞台(1452年ごろから1506年)。さまざまな人物が現われては消えてゆくなか、チェシラ演ずる仁粋大妃が物語の軸としての役割を担っている。
仁粋大妃(1437~1504年)は、第7代王「世祖」の長男・桃源君の女房だが、のちに権力を掌握することとなった人物だ。儒教思想などから男尊女卑の思想が徹底している社会にあって、男どもを押し退けるようにして権力をほしいままにしたのだから、天晴れかつ痛快ともいえるし、ドラマのなかでは「鉄の女」とも称されている。
作品は、朝鮮王朝の「正史」とされる「朝鮮王朝実録」が韓国内においてハングルに翻訳され出版された時代に製作され、それを反映してか「実録」をベースに物語の流れが組み立てられている(韓国での初回放映は1998~2000年)。エンタテイメント的な派手さはさほどなく、地に足をつけたようなまったりとした作風で、じっくりと鑑賞するとその味わいがじんわりと伝わってくる。
途中、首陽大君(のちの「世祖」)が1453年に起こした大粛清事件「癸酉靖難」をはじめ物々しい場面が「これでもかっ!」とばかりにねっとりと描かれるのは、オレが大好きなショスタコービチの交響曲第8番第1楽章の展開部のごとしで、そんなあたりにもグっとくる(わかんねぇか・笑)。
が~。やはり“真打ち”はアンジェモ演ずる第10代王「燕山君(ヨンサングン)」の大暴れでキマリでしょう。なにしろ、いよいよ登場するにあたっての「次回予告」がなんとも嬉々として「台風の目!!」だのといった文字が並んでいるんだからたまりませんо(^ヮ^)о
燕山君は仁粋大妃の次男である第9代王「成宗」の長男。こんにちでは朝鮮王朝にあって「暴君中の暴君」とされている御仁だ。
暴君たる由来は、在位中3度にわたり大粛清事件を繰り広げたことや国の予算をほしいままにし酒池肉林に明け暮れたことなどによる。後者は成均館(ときの最高学府)を女遊びの場としたり、宮廷に妓生を引き入れるや側室に仕立て上げるなど、まさに好き放題を演じたと言われている。もちろんたしなめる官僚らもいたが、ことごとく粛正されてしまったという。
前者は、まず1498年に「戌午士禍」によって反対勢力らを粛正、側近を「ヨンサンチング(ヨントモでも可)」で固め権力を強化したが、最大の事件は1504年に起きた「甲子士禍」である。
燕山君の母は、燕山君が6歳(数え)のときに義母である仁粋大妃から疎んじられた挙げ句毒殺刑に処せられているが、それに関わった人物らをことごとく虐殺していったのである(一部は流刑)。それは墓を掘り起こしたうえで遺体を斬首し晒し首にするまでに及んだが、燕山君によって真の標的(仇)は祖母の仁粋大妃であったことをうかがわせ、燕山君の暴行によって死去したという記録も残されているという。
そののち、「廃妃」とされた実母を「王妃」として復活させその名誉を回復することを強行しようとしたが、腹違いの弟を後継者に担ぎ上げた勢力によって追放され(「中宗反正」1506年)、流刑先の江華島で死去したと伝えられている。
前置きが長々となってしまった。で、なにが言いたいかというと、この燕山君とわれらがケーセッキ安倍晋三との間にちょっとした共通点があることに気がついたのである。
これはまぁ、オレ個人の偏見だといちおう断わっておくけれど、あのケーセッキのオツムのなかにあるのは、大まかにみてつぎの2点だけだろう。すなわち、
・憎っくき現「日本国憲法」を“改正”し「明治憲法」を規範とする新憲法を制定する!
・そのうえで尊敬してやまない故岸信介先生のご名誉を回復し、墓前にその報告を申し上げたい。
違いますかな、安倍晋三どの?
一方の燕山君はどうだったか? 同じくかいつまんで記すのであれば、
・無念の死を遂げた母の仇を討って、かつその名誉を取り戻したい。
ということになるハズだ。
問題は、彼らふたりのオツムの大半を占めるのがそうした「恨」であるということであろう。「そんなの言い過ぎだ」との真っ当なご意見もあろうかと思うが、あの中味のないスッカスカな政策や数々の不遜きわまる発言や態度に接するに、彼にとって国家や国民など極論すればどうでもいいのではないかとの疑念が拭えないのである。
あるいは周囲を「ヨンサンチング(ヨントモ)」ならぬ「アベドモ」で固めてみたり、税金で支持者らをもてなしてみたり、中世のような粛正こそしないまでも反論する者をつぎつぎと消していったりという遣り口はどうか? 燕山君は、官僚に「慎言牌」なる札をぶら下げさせ、一切の反論を封じたという(「舌は自身を斬る刀」とたとえ、「見ざる聞かざる言わざる」を徹底させた)が、その経緯はともかく、昨今のマスコミは「慎言牌」をぶらさげた状態である(そいや、燕山君が寵愛した側室・張緑水も好き放題に遊興に明け暮れていたと伝えられている。だれだかの女房のようですな)。まさに燕山君とウリふたつではないか(ついでに、ドラマ「王と妃」では嬉々としてときの権力者に「忖度」する官僚らのザマが皮肉たっぷりに描かれているぞ・笑)。
あ~~~、違った。記録によれば、燕山君は即位当初は困窮する庶民の立場をわきまえた施策を進めるなど“善政”にあったというから、われらがケーセッキ安倍なんかと一緒にしては失礼で、似たりよったりみたいなのはたしかに言い過ぎでしたね。
ちなみに、「王と妃」では、そのラストにおいて、これはあくまで「勝者の記録である」と締めくくっている。燕山君の真の姿がどうだったのか、含みを持たせされているのである。もっともケーセッキアベはそのまんま。それ以上はないだろう(以下はありそうだな・笑)。
冗談はともかく、すでに記したとおり、燕山君は反勢力側が義弟を担ぎ上げたクーデター「中宗反正」によって失脚したが、はたしてこの日本という国で「反正」は起こりうるのだろうか……。
話かわりますけど。その「王と妃」の前半にイヒョルロ(李賢老)なる学者が出てくる。首陽らが強行した「癸酉靖難」ののちに惨殺されてしまったが、ドラマのなかではなかなかに味わいのある御仁ではあった。
そのイヒョルロをハングルで記すと「이현로」。そこでふと思った。「ロ=로」は路地の路でもある(ソウルの主要道路のひとつ「중무로=忠武路<チュンムロ>」などを参照)。すると「イヒョルロ」なる通りがあってもおかしくはないわなと思うのが自然のなりゆきというもので、さっそく検索した結果が上のスクリーンショットである。場所は京畿道龍仁市。だからどうしたって話でもないんですかね(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)
ところで、同じく大韓ドラマ「欲望の炎」(욕망의불꽃)。上昇指向がいささか強烈なおっかさんを主人公に、生き別れになっていた実の娘と血のつながりのない「息子」(亭主=財閥の末っ子と結婚前につきあっていた女が産んだ子を「わが子」として引き取った)などをめぐるドロドロ愛憎劇だが、なんとこの「欲望の炎」と「王と妃」の脚本家は同一人物なのであった。
その脚本家・チョンハヨンさんは数々のヒット作を生み出してきた大御所だが、「王と妃」をあらためて鑑賞しつつ、「このおっかさん(仁粋大妃)が下地となって、ナヨン(欲望の炎のおっかさん)を産んだんだろうねぇ」などと母堂と話し合ったものだ(笑)。
その「欲望の炎」を気に入っていたのが、大韓コメディドラマ「まるごとマイラブ」(몽땅내사랑)の登場人物のひとり「キム執事」であった。なにかっていうと仕事をほっぽりだして「欲望の炎」(作中原語ではわずかにタイトルを変えてあったが、実際にそのドラマが画面に登場していた)に夢中になっているんですねぇ。
しかし感心したのは大韓ドラマのサービス精神である。相方の「欲望の炎」のなかでも、ちゃぁ~んと「まるごとマイラブ」を見て大笑いしている場面が登場しているのであった。
◎'욕망의 불똥' 열혈 시청자 김집사에 '욕불'도 화답_ '재치만점' – 충청투데이(別画面で開きます)
このキム執事をチョンホビンが演じていて、そのすっとぼけたアホぶりがなんとも愉快であった。そんなだから、別のドラマで大統領として登場したときには朝っぱらから腹を抱えて大笑いさせられるハメになったものだが、「主役の不倫相手」として出てきて大笑いしたといったような話を個人ブログで見かけたこともあって、「ぁあ、同志ですなぁ」とうれしくなったものだ(笑)。
もっとも、盟友Sにしてみれば、「『善徳女王』でかっこいい役をやってたのに……」ということになってしまうらしい。
でまぁ、あるとき「김집사(キム執事)」で検索してみたところ、ちゃぁんとそんな屋号の「なんでも屋」があるってあたりが裏切らないんだなぁо(^ヮ^)о
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