憧れのキリラッタニコム線に乗る(前編)・・・の巻

いよいよ、タイの鉄道路線乗りつぶしのトリとなったキリラッタニコム線に乗り込むо(^ヮ^)о……という次第で、今回は増量版にて。
すでに乗り馴れた感のあるタイの木造客車だが、この憧れのローカル線を往くのかと思うと、ひときわ味わいが増すというものだ。
たった1往復きりの列車は、完全無欠の(?)通学列車。
……という汽車に乗るワケだが、おそらくココに立ち寄ってくださった方の大半にとっては「キリラッタニコム線? なんじゃそりゃ?」ではないかと思う。こうしてしたり顔で吹聴しているオレ自身だって、ほんの2年ほど前まではその名前はおろか存在すら知識の埒外だったのだが、知ってしまえば訪れてみたくなる。そこで、簡単にどういう路線かということを箇条書きにしてみMASITA。
■キリラッタニコム線ってこんなローカル線(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)
・区間:(南線)バーントゥンポー〜キリラッタニコム間31.0km
・途中駅数:7(いずれも「停車場」扱い)
・運転本数:旅客1往復(運行区間はスラッターニ〜キリラッタニコム)
・運行ダイヤ 489列車:スラッターニ16:55→17:55キリラッタニコム
490列車:キリラッタニコム06:00→06:58スラッターニ
これだけを見ると、単に運転本数が極限まで少ないだけの短距離ローカル線ということになるし実際そのとおりなのだが、問題はキリラッタニコム駅周辺を含む沿線には宿泊施設がなく、かつキリラッタニコム駅には鉄道以外の交通機関がないところにある。つまり、乗ったはいいが若干の工夫をしなければ路頭に迷わざるをえないというワケだ。
かような路線であり終着駅だが、あのバックパッカーの御大が『東南アジア全鉄道制覇の旅タイ・ミャンマー迷走編』(下川裕治・双葉文庫)で国道ぞいと思われるホテルに宿泊している。著者は駅員の厚意からバイクで送迎してもらっているが、おそらくは駅から4km程度の距離があるとみられ、宿が現存するのであればイチかバチかの宿泊に賭ける作戦がないこともない。しかし、外国の見知らぬ田舎である。好天の明るいうちならともかく、暗くなってから徒歩でのアクセスを前提とするにはちょっと悩ましい。言い換えると、このロケーションこそがキリラッタニコム線の持ち味であり、訪問を拒むかのような諸条件ともども旅ゴコロをくすぐってやまないのである。
といいつつも、出たとこ勝負で件の宿を探してみるのも面白かろうと思ったけれど、ここは無難にスラッターニ駅前で迎えのタクシーをチャーターした。以前紹介した『タイ鉄道散歩』(藤井伸二・イカロス出版)によれば2012年当時で700バーツだったというので、その後の物価を勘案しつつ800バーツを腹づもりしていた。バンコクのスワンナプーム国際空港〜フアラムポーン間が高速代込みで500バーツ前後だということを考えると、迎えの回送を勘案してそれぐらいかなと思ったのだ。が〜。即答されたのは1000バーツ。それは高いと800バーツを提案すると、
「だって、キリラッタニコムまで行くんでしょう……? 900では?」
という。どうやら、ちょっとそこまでというのとはワケが違うんだがなァ……ということをその表情が物語っている。まっ、300円かそこいらでジタバタするのは性に合わないし、900バーツで手を打った(乗ってみた印象では決して高くはなかったので念のため)。
さて、乗り込んでみると、通学生たちがこぞってお出迎え。
ヨネちゃんともども彼らとのコミュニケーションを楽しみつつカメラに収まってもらったが、逆の見方をすれば、ふたりして彼らの娯楽に貢献してしまったと言えなくもない(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)。
わずかながら通学生以外の乗客も。
街で調達した飲み物を片手に。
なんと日本語を勉強中であった。
4両編成の客車はほぼ満席。こんなに盛況なのだからなにも1往復きりにしなくても……という気がしないでもないが、そうなったらそうなったで、こちらはどう思うことになるのだろうかねぇ???
それにして、も。こんな珍奇な汽車に乗り込んできた能天気日本人ふたり組を、いつもの汽車で家路につく彼らはなんだと思ったのだろうか(笑)。
17時10分、15分遅れでスラッターニを発車。これは、先行して発車予定のクルンテープゆき快速174列車(定刻16時47分発)がナコンシータマラートから遅れてスラッターニに到着したためと思われる。一方で16時45分着予定の特急43列車(クルンテープ発スラッターニゆき)も遅延が生じている。ダイヤ上はキリラッタニコムゆき489列車との乗継ぎ列車のハズなので、43列車到着を待っての発車かと思いきや、接続を取らないままスラッターニをあとにしてしまった。
ちなみに、43列車は最初の計画ではバンコクからスラッターニへのアクセス列車とするつもりだったが、この事態は十分にあり得ると予測しており、スラッターニで1泊するプランをスケッチしていた。こうしてそのザマを実見すると、日本の鉄道の乗継ぎのようにはいかないことがよくわかる。
スラッターニ駅を出て間もなく、道路との併用橋を通過。これまでなんどか通った区間だが、こんなのがあったとははじめて知った。
17時17分、南線との分岐駅・バーントゥンポー(BanThungPho)を発車。いよいよキリラッタニコム線に突入する……のはいいとして、ここでも43列車との接続を取ることはなかった。もとより、そういう乗客はほとんど皆無に近いのかもしれないが、それにして、も……という感じもする。
バンコクへ向かう線路を見送りつつ、1日1往復の細道へ。
バーンドンラック(BanDonRak)に到着。
草むらと化した停車場だが、よくよく見ればホームの痕跡がある。ヨソ者が降りようものなら、本格的に途方に暮れるであろうロケーションにシビレる。
ふたつめの停車場、バーントゥンルアン(banThungLuang)は屋根つきの待合所や“構内踏切”があるなど、いくらか駅らしさが漂う。
この路線でふふ、ふ、踏切のとおせんぼに遭うとは、なんとも寄寓な巡り合わせではある。荷台に乗った僧侶の功徳のなさる業……か?
3駅目のバーンカナイ(BanKhanai)では十数人が下車。
駅前広場には商店らしき安普請も。たった1往復きりの列車ではあるが、時刻表まで掲げてあるなどどこか温もりが感じられる。
ウシの親子が汽車を見送る。
アブラヤシなどのプランテーションも散見されるが、むしろ熱帯の荒野を往くという感が強い。
通学生たちはみんな元気一杯о(^ヮ^)о 決して便利とはいえない田舎暮らしかもしれないけれど、彼女らの笑顔はシアワセそのものと思えた。
あるいは学校を卒業したらバンコクを目指たりするのだろうか。ステキな時代だ。
ちょっとブルーシー(?)な情景が見られたバーンドンリアプ(BanDonRiap)。17時48分(定刻17時33分)発。
後編につづくо(^ヮ^)о
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コメント
コメントありがとうございます。
目下、自宅にていそいそと原稿書きなどをしております(笑)。
ちなみに、前回のタイ散歩のさいにこじらせた体調がいまだ戻っておりませんで、「なにかもらってきたのと違うか?」と笑われている次第です。そういえばお腹の具合が・・・という感じがしないでもありませんが・・・。
投稿: 猫池 | 2019.06.25 17:18
タイにいるのか。いいなぁ。旅に出たいなぁ。
投稿: カトウカズヒロ | 2019.06.25 13:49