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2017.06.14

帰宅列車で夜汽車気分・・・の巻

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  ブアヤイ線の気動車。今日の仕事はおしまいで、翌朝5時50分に440列車となってケンコーイに向かって同じ線路を引き返す。時刻表を見ると、同じ5時50分に“本線”経由のナコーンラーチャシーマゆき普通430列車もある。こんな閑散線区で同時発車というのを眺めてみたいような気もするが……。
  それはそれとして、このたたずまいを眺めていると、どことなく名寄駅に停車中の深名線列車を思い出す。

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  東欧だのロシアだのでこんな情景を眺めるというのはタルコフスキーの世界。

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  ブアヤイの駅前広場。
「しが〜〜ん……」
  とかなんとか、妙なおとっつぁんから時間を訊ねられそうなロケーションではありますね。

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  タイ国鉄では、隣の駅との間の距離が駅名板に記されてある。20.712kmに9.790km、11.860kmと並ぶのを見ると、それぞれずいぶんと駅間距離が長いように思えるが、実際にはその間に「停車場」と呼ばれる小駅がある場合も多い。かつて日本の国鉄にも多数あった「仮乗降場」のようなものだ。そんな小駅での停車シーンが楽しめるのは“どん行”ならでは。

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  駅前の繁華街。コモノ類が原色バリバリなのと比べると、隣の“ブティック”の色あいが地味ですなぁ。ぁあ、装飾は派手っていやぁいえなくもないが……。

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  これから乗るのはナコーンラーチャーシーマゆき418列車(どん行)。ブアヤイ発17時14分で終点には19時00分に着く。前に引用した『タイ鉄道散歩』(藤井伸二・イカロス出版)にもこのルートが同じ乗継ぎで紹介されているのだが、そこにはつぎのような記述がある。

>東北線の北線は遅延常習路線だが、どうしてこうも遅れるのだろうか。

  言われてみればそのとおりで、考司は強靱な舌を、五郎は・・・もとい、たとえばタイ国鉄公式列車運行情報(タイ語)をチェックしてみると、連日といっていいほどに遅延が生じている。で、もちろんこの日もまるまる1時間ほど遅れてブアヤイ駅にやってきたワケだが、その無聊をなぐさめてくれたのがこのネコでありMASITA。

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  ネコのニオイが染みついているのかねぇ……。このバックパックはかれこれ12〜13年前から使っている旅の相棒。6泊7日程度であれば十分なサイズなうえとっても丈夫。安心して使ってこられた。ベトナムを皮切りに外国へも一緒に出かけてきたが、国内では「トワイライトエクスプレス」やら「カシオペア」やらといったいまや伝説と化してしまった寝台列車取材でも活躍してくれたものだ。が〜……。残念ながら今回のタイ散歩で引退することとなってしまった。長年のムリがたたったのか、メインファスナー周辺が切れてしまい、「どうにか帰国までもってくれよ!」という状態だったのである。まぁ、むしろこれまで長もちしてくれたというのが正しいモノの見方かもしれないが。

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  駅で商売をしているおっかさんが面倒をみているようで、このあと線路を渡って隣のホームのベンチを陣取ったところ、「あぶないでしょう!」とばかりに抱きかかえられて住処に拉致されていってしまった。どこでも似たようなものである。

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  遅刻常習犯が登場。
  ところで、現地の路線図などをご存知の方はよくおわかりかと思うけれど、これから向かうナコーンラーチャシーマに行くには、“本線”をバンコク寄りに戻る形になる。ブアヤイでの宿泊を断念した旨は記したが、であればむしろ先に進んで適当な町で宿を探すほうが常道というものであろう。

  もちろんそう考えた。ブアヤイ線で乗ってきた439列車のブアヤイ到着は16時40分。すると、ほぼ1時間後の17時43分にウドンターニゆき417列車(どん行)があり、ソイツに乗ればいいと思ったのだ。行き当りばったりの宿探しも楽しいが、念のためネット経由で宿探しをしたところ、それなりに便利な施設がある。ウドンターニは大きな町だし、途中のコーンケーン(19時15分着)も悪くなさそうだ。
  ところが、その予約をしようと思ったそのとき、先にリンクした「列車運行情報」をチェックすると、その日のブアヤイ線439列車がなんと2時間以上も遅れてブアヤイに到着していたことがわかった。そんなに遅れてしまえば417列車への乗継ぎなんぞできようハズもない(あっちも遅れれば話は別?)。問題は、この列車を逃すと下り列車は0時過ぎの夜行急行までないことで、「ならば」ということで中途半端な車中泊を強いられる可能性を考えなければならない(もちろん宿のィ予約もムダになってしまう)。

  一方の上り列車も似たようなものだが、遅延常習犯418列車を逃したとしても21時36分発の急行(夜行バンコクゆき)があり、ナコーンラーチャシーマには23時前に辿り着ける。つまり、あえて安全策をとった結果が418列車への乗車につながったワケだ。もっとも、コレは結果的には安全策以上の価値があったことがィ翌日に判明。そのくだりは次回アップにて。

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  この庶民感がイイのである。

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  線路に沿って延々と工事中。帰宅してから調べてみたところ、路盤の改築が進められているという。なんでもラオスからベトナム、さらに中国雲南省まで延伸するという壮大な計画らしく、完成した暁にはぜひ乗ってみたいものだ。軌間は現在のメーターゲージではなく標準軌の1435mmになるという話もあるようで、現在とは大きく異なる路線となるのであろう。言い換えると、現在ののんびりとした鉄道風景がどうなるのか……という懸念もあるのだが。

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  遅延常習列車はさらに遅れ、途中のとある駅では侵入ホームの間違えらしき事態にもなった(客扱いののちにバックして隣のホームに入り直し。その直後にモトのホームに下り列車が入ってきた)。

  ところで、タイ国鉄にないものに車内放送がある(放送装置そのものがないらしい。ただし最新鋭の寝台列車にはコイツが備わった)。これまでははじめての路線ばかりとはいえ、終点まで乗り通したり、途中で降りる場合でも明るい時間帯だったので、ほとんど問題はなかったし、この列車もまた終点が下車駅なので心配はない。が〜。そのテの旅行者はいいとして、地元の利用者にとってはどうなのだろう。駅員のいるような駅であれば、駅舎はもちろんあるし、ホームには灯だって灯されている。ところが、このブログでもなんどか載せてきた「停車場」のなかには、マトモなホームはおろか、駅を示すものといったら駅名標だけというシロモノだって少なくはない。そんな小駅の周辺にはこれといった家屋や商店の類がほとんどない場合が大半で、仮にそんな駅で降りる必要があったとしたら、きっと往生するに違いないと思ったのだ(汽車の外は真っ暗闇の明け暮れ。ヘタすりゃ降りたとたんにコブラを踏みつけそうだ?)。
  観察していると、(たぶん)間違えずに目的の駅で降りているように見えたし、なかにはころあいを見計らって車窓を注意している姿も目にしたが、それにくわえて乗っている列車は遅延常習犯。時刻表なんぞアテになりようもないし、いかにいつもの列車だったとしても、よくもまぁ無事に降りられるものだと感心するほかはなかった。

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  ィ夜のしゅぽはムード満点。
  こうしたローカル線(名目としては幹線だが)の帰宅列車に紛れ込むのはなかなかに楽しい。家路にあるひとびとの生活感。半ば夜汽車のような車窓と轍。国内の鉄道路線でもたびたびそんなムードを楽しんできたものだ。

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  どうにかこうにかナコーンラーチャシーマに到着。

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  あれこれ観光的みどころはあるらしいが、とりあえずは寝るだけの訪問になってしまった。

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  ィ翌朝。

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  駅前に蒸気機関車があるのを発見。タイ国鉄の駅にはこうした静態保存がよくみられる。

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  笑顔で乗り場を案内してくれた駅警備員。ココロ暖まるひとときだ。
  つづくо(^ヮ^)о

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