あ! マタタビ・・・の巻

午睡……。

友人Sから以下のようなメールが届いた(極私的なところなど一部修正)。
今日、(実家に立寄ったさい)両親をクルマに乗せる機会があったので、藤本卓也を聞かせたらどんな反応を見せるかの実験を行った。藤本卓也のムード歌謡感あふれる音楽は、もしかしたら戦前生まれの両親の心をグッとつかむ可能性があると思っての実験である。二人が車に乗り込むんでからエンジンをかける。それと同時に流れ出す藤本卓也のいい湯加減の歌声。わくわくしながら両親を横目で見てみると…、だがしかし特に反応はなし。音量を大きくしたり、「このCDどう?」なんて質問したらば実験にならないのでそのまま流し続けたが、いつまでたってもまったくもって反応はなし。揚句の果てに、親父のこんな発言。「今日、大相撲が千秋楽だな。ラジオにしないか?」とまあこんな結果で、結論は全然興味を示さず、まったくの無反応ですた。

「相棒」である(「おひらきとおくりものの巻」あたりにも登場してもらった藤本卓也の名盤)。残念ながらSのご両親にはネコにマタタビとはいかなかったようだ、が……。

ご存じない方のためにというよりも話のネタに添えるべくYOU TUBEを検索してみたら、アルバムからアップされているのが1曲あったo(^ヮ^)o
※「相棒Part3 人生グルメ」
イイ曲である。
個人的に、このアルバムのなかでもっとも泣けてくるのが「相棒Part6 東京探偵物語」。
キナ臭いニオイがプンプン漂う仕事を控え、「明日からタフなファイトで危ない橋を渡ることになりそうだな」と酒場通りを流しにゆくふたり組の私立探偵(ここの「酒場通りを流してみるか」というフレーズがチョア♪)。そんなふうでかなり
ハードボイルドを気取った内容なんですよ。
で、サビのところが、
「あ! 東京 欲望産業地帯」
とくる。
ここで藤本卓也の歌唱でシビレてしまうのは、これをけっして「あっ! 東京」とは唄わないところにあるんですにゃぁ。どう聞いても「ぁあ〜〜〜とぉきょぉ〜〜ォ〜」。でも「あ! 東京」なんだ、これは。
などとつらつら考えていたら、韓国北東部の街・江陵の街角にかような看板を掲げたタイヤ屋があった。いわく、
「あ! タイヤ」。
そんなものだから、「ぁあ〜〜〜タイヤァ〜〜〜」などとひとり唸りながら異国の街を歩くハメになってしまったのだったが、だからどうしたという話ですネ。

どうやらチェーン店のようですにゃ。「あ! タイヤ」。
で、あるとき、居酒屋で一杯やっていたところ、背後というかほぼ頭上に置かれたテレビに「こどものど自慢」みたいなのが映っていた。しかも、こともあろうか「相棒」特集なんだ、これが(笑)。「へぇ〜〜」と驚きながらみるともなしにみていると、小学校5〜6年生ぐらいの男の子がつぎつぎと「相棒」(Part1の「グッド・フェローズ」からPart8「だから泣かないで」までレパートリーがある)を唸ってるんだが、これがなかなか微笑ましい。まったく、夢のような番組ではアルマイトの弁当箱?
件の「東京探偵物語」で藤本卓也の唄が泣かせてくれるところのひとつに、歌詞にない余韻がある。どういうのかというと、たとえば
「明日からタフなファイトで危ない橋を渡ることになりそうだな」
というくだりが、
「明日(あした)からタフなファイトで危ない橋を……ぉっ、渡ることになりそうだな」
となるわけだ。この「……ぉっ、」がたまらん。
ところが、やはりそこは小学生である。そんな深い余韻をつぶやけといったってちょっとねぇ(笑)。そんなものだから、居酒屋で唄を耳にしながら、
「やはり子どもにはムリがあるよなぁ……」
などとしみじみ思ったものだった。でも、彼らは彼らなりに一所懸命なんですよ。声変わりしない前の男の子たちが、けなげに「……ぉっ、」(2番では「……ぁっ、」)ってやってるんですから。
まっ、そういう夢をみMASITAっていう話なんですがね(゜゜;)

そんな「相棒」。のちにSは語った。
「実際この実験を思い立ったときは、とても興味深い実験だと我ながら感心したのだがな」……。
しかし、あとで「なんかヤツは妙なのをかけてたな」とかご両親でしみじみ語り合ってたかもしれんぞ。
「相棒」。オススメでございます。ディナーショウでもやってくれませんかねぇ……。
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