ハードロック軽食堂...の巻

海外で妙ちきりんな“日本語”に出くわすのは楽しいものである。『VOW』(宝島社)の誌面なども賑わす重要カテゴリでもあるし、こんな楽しいコレクションがネットでもみられるのだった。
「アジアに氾濫する怪しい日本語」←o(^ヮ^)o

なかには、こんなかんじの“誤植”的味わい物件もあるけれど、やはり独自の訳ものが個人的にはツボにハマる。たとえば、さきのサイトでいえば「けんど」あたりがジャストミート(コレは『VOW』にも登場していましたにゃ)。いいでしょう? 「製造される。けんど.東京.日本に」だもんなァ…。
まぁしかし、こういう物件の数々は日本語を母語としないひとが施す天然“変”訳だからこそ楽しいのであって、たとえば翻訳本なんかでやられるとかなりイタいものがある。

友人Tのオススメにより購入した旅行案内書『ロンリープラネット韓国』(メディアファクトリー)である。Tの持っていたインドの巻がちょっとみたところよさそうに思えたのでネット通販で買ったものなのだが、コレがすさまじい内容であった。なにしろ訳がお粗末(「けんど」とまではいかないが)。
ご存じない方のために触れておくと、この「lonely planet」シリーズはオーストラリアの出版社「Lonely Planet Publications Pty Ltd.」が著者をたてて編纂した旅行ガイドで、本書は日本人スタッフが“翻訳”した日本語版である。なんでもバックパッカーを中心に人気があるらしい。しかし、原著はどうあれ、英語の原文をそのまんま単語と基本文法とを日本語式に置き換えただけの“素訳”といってよく、ほかの購入者から苦情のひとつでも出ていないのかと心配になってくる。
各項目のひとつひとつに触れるだけのヒマも体力もないけれど、パラパラめくったなかからひとつだけ例を挙げてみると、表4(裏表紙)にある惹句「自立した旅行者にとってのもっとも信頼できるパートナーだ THE NEW YORK TIMES」がシビレますにゃぁ。「自立した旅行者」っていったいなによ? 原文がどうなっているのかはわからないし(“an independent traveler”かな?)、英語の言い回しとしてそういう言葉はあるのだろうが、「自立した」も「旅行者」も日本語には違いないにせよ、両者がドッキングするとたいへんに違和感がある。コレ、書店で現物をみたらまず買わなかったろうねぇ。だってこんな訳が惹句になってるようじゃとても信頼できないもん。まずもって「王様」の世界(「高速道路の星」とかさ。懐かしいですネ)ってもんだ(笑)。
まぁ、日本の一般的旅行案内書とは異なり、紋切り型のカタログでない点には好感が持てる(だからこそよくみえたのだ)。著者がたち、主観的な表現が含まれているのもいい。……というのは原著の問題ではあるが、せめて日本人読者向けという点に、ちょっとは日本語に対する気配りがほしいと思う(それとも、訳は原文を置き換えただけの直[素]訳に限るといったような出版契約にでもなってるのだろうか?)。
それはとにかくとして、よく欧米人の旅行者がしめつめらしい表情で開いている分厚い旅行ガイド本には、こんなことが書かれていたのかとも思った。つまり、この本の面白さはそこにあるような気がしないでもない。欧米人のセンスによる異国旅行案内。異文化紹介をさらに異なる文化によるフィルターを通して読む。同性愛者向けのガイドが含まれているあたりにもカルチャーを感じることができるだろう。そう考えると、まぁ1冊ぐらいは持っていてもいいのかなというところだ(ただし、原著由来として肝心のガイド部分が一般論的な記述で済まされていることがママあり、この点は非常にいただけない。地図が商品レベルに達していないのは致命的欠陥である)。
ちなみに、「あんまりだ」とTに苦情(?)を言ったところ、
「あのビミョウに変な訳文が好きなのだが」
だそうDESITA。あのときインドの巻をきちんと検分しておけばよかったと反省の明けくれです。
![]()
おまけ。一部愛好家のなかでは有名な物件、湊さんの電波文書である(↑クリックをどうぞ)。友人Sが保管していた現物がしばらくぶりに発掘されたもののスキャンなんだが、カラーだと迫力がありますにゃぁ。
| 固定リンク


コメント