清原を逮捕したい側の論理・・・の巻
プロ野球・オリックスの清原和博選手が、20日の日本ハム戦でデッドボールを受てケガ、数試合の休止を余儀なくされた。同選手の内角球が苦手といわれることが投手の攻め方にも反映され、これまでもたびたび危険な場面をくぐり抜けてきたらしい。
その清原が、記者会見の席上で(?)「故意にしろ故意じゃないにしろ、僕は守るべき者を命を懸けて守りたい。そういうこと(死球)があれば、命を懸けてマウンドに走り、そいつを倒したい」と発言、取り方によっては暴力による報復を予告した内容ともみえなくもないだけに、波紋を拡げてきている。デッドボールそのものは競技の性質上そのリスクは常にあるとはいえ、選手も人間である以上、心情的には相手投手に対するなんらかの怒りが湧くのは仕方のないことだろう。しかし、同選手の場合は過去にデッドボールがらみの暴力事件があることなどを考えると、周囲がナーバスになるのはあり得ることだ。
で、ここで思ったのはデッドボールがどうだとか、清原の怒りがどうだとかということではない。各新聞などの配信ではイマイチ判然としない部分があるけれど、記者会見の席上で記者を相手に語ったもののように思われるこの発言が、ひょっとすると「共謀罪」の立件に十分な要件を満たしているのではないかと考えるのである。
21日に三たび審議入りした同法案は、野党の強硬な抵抗に遭いながらも今国会での成立の可能性が高いともいわれている。このコーナーでもたびたび触れているのでその骨子についてはここでは省略するけれど、ようはある種の犯罪(の実行)にからむ相談したり協議したりするだけで立件できるという内容であり、清原発言の場合は、暴力行為から傷害事件への発展の可能性があると解釈されなくもなく、「共謀罪」が施行された曉には会見に臨んだ記者らとの間に暴行・傷害への共謀があったとみなされてしょっぴかれる場合があるとみていい。そんなバカな? (法案に記されている)「現実的な合意」がないから関係ない? はたしてそうだろうか。じつは立件の対象や運用についてがきわめて曖昧にされており、当局側の胸先三寸でいくらでも逮捕できるため、この法案に限っては「そんなバカな?」が通用しないと考えるほうが無難だろう。たしかにこの場合の清原や記者らは見逃されるかもしれないが(立件されれば容疑者には記者も含まれる。念のため)、これが仮に野党の集会など政治がらみの席上での発言であったとしたら、狙われる可能性は非常に高いとみるべきだ。
選挙集会や打ち合わせなどで、
「●●(対抗候補)を叩きのめそう!」
「おーーーーーーっ!!」
とやったらどうか?
もちろん、暴力によって「叩きのめ」すのではなく、まっとうな選挙活動によって勝利を収めたいとする発言なのだが、曖昧(いま流行りの言葉でいえば“グレーゾーン”)な法運用のもと、暴行の共謀があったとして逮捕者がでてもおかしくはない。そうなれば容疑者イコール犯罪者のように捉えがちなマスメディアと家畜人らによって標的にされ、仮に不起訴や無罪を勝ち取ったとしてもときすでに遅しという壊滅的な打撃を受けるのは間違いないだろう。いとも簡単な口封じである。
コイズミスネオとその一派(というか自民党)の「改革」とやらの総仕上げは憲法改定によるアメリカ合州国の属国化あるいは隷属国家の完成だが、その下準備として進められている共謀罪制定が成功してしまえば、大半の国民にとってこの国は暮らしづらくなっていくのだろう。そうなれば、おめでたい家畜人どももやっとこさ自分の置かれている状況に気づくかもしれず、あるいはいい薬になるかもしれんという皮肉な見方もできなくもないけれど・・・あまり過度な期待は禁物だろうにゃ。
*今回は緊急性もあるため、記事は本館の「アトリエ猫池」と同時掲載としました。合わせてご覧いただければ幸いです。
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