« 続・愚劣なる甲子園・・・の巻 | トップページ | 寝床・・・の巻 »

2005.08.09

廃案...の巻


 郵政民営化法案が否決され、かねてから小泉スネオがダダをこねていたとおり、衆議院が即日解散となった。切っ掛けがなんであれ、国政選挙の空白期間を埋める結果となり、解散・総選挙は大歓迎である。

 郵政がらみについての罵詈雑言は本館の「アトリエ猫池」に記す予定なのでそちらをご覧いただくとして、今夜の題材は共同通信によるつぎの記事である。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050808-00000145-kyodo-pol

 記事は、衆院解散にともなって、審議中だったいくつかの法案が廃案になったというものである。見出しにある「国民生活への悪影響」という部分はとらえかたもそれぞれだろうけれど、この記事はひとつの大誤解を孕んでいる。



 組織犯罪処罰法など改正案は重大犯罪を対象に、実行されなくても謀議に加わるだけで処罰可能となる「共謀罪」新設などが目的だった。
(同記事)

 郵政騒ぎの裏側で“平成版治安維持法”ともいえる「共謀罪」の審議がされていたことは「アトリエ猫池」に記してみたが、この法案は同記事にあるような「重大犯罪」だけ「を対象」にしたものではない。法定刑が懲役4年以上となる犯罪についての共謀(事前打ち合わせの類)を対象にし、その数は557にも及び広範な適用が可能となっている。なにをもって「重大」とするかという問題もあるが、 解釈のしようによってはつぎのような居酒屋でのたわごとの類でも逮捕されかねないおそるべき治安法だということを知っておいてソンはない。

「あのコイズミってのは、ホントにバカだな」
「あんなヤツ死ねばいいんだよ」
「いっそ、オレたちで殺っちまおう!」
「そうだそうだ!」

 おお! なんとおそろしいことに殺人の「共謀」である。もちろん「共謀罪」の適用に直球ストライク!
 だがしかし、このていどの「共謀」なんぞ、どこにでもあるんじゃありませんかねぇ……。しかし実際問題として、こんなことでいちいち逮捕されるかどうかはわからない(されるかもしれない)。むしろ、真の「重大犯罪」抑止を名目として、ふつうの市民生活の監視を強めることがこの法案の目的であり、こっちのほうが問題だ(上に挙げたようなレベルで殺人が実行される可能性があったとしても、現行の法律で防止することは可能なのではないか? 現実には防止できていない事件も多いけれど、防犯の任にあたっているハズの警察の怠慢による見逃しであったり、警察官そのものによる事件であったりすると、仮に「共謀罪」が立法された場合、それこそ警察による“合法的犯罪”の温床になるかもしれない)。

 共同通信が伝えるように、この法案はたしかに「重大犯罪」も対象にされる。だがしかし、その「重大」の解釈そのものが問題であり、この配信のような伝え方では、「共謀罪」の本当の姿はまったくみえてこない。廃案になって残念! 記事から読み取れるのはそういうことである。同社のスタンスがよくわかる記事ではないか。

|

« 続・愚劣なる甲子園・・・の巻 | トップページ | 寝床・・・の巻 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 廃案...の巻:

« 続・愚劣なる甲子園・・・の巻 | トップページ | 寝床・・・の巻 »