フリータ製造国家戦略・・・の巻
フリーターの増加が社会問題のひとつとして定着して久しい。正社員として企業なりに勤めるなどの定職を持たない層が増えてきた背景には、企業側の都合による人員(人権費)削減があるのは間違いない。部分的には、臨時雇用でよしとする働く側の考え方もあるにはあるが、社会問題化するほど目立ってきたのは、働きたくても働き口がないということが大きい。
フリーターといわれる層は、ほとんどのケースで満足な収入を望めない。したがって、本人の生活を支えることの困難さもさることながら、国や自治体にとっては税収の減少にもつながってきている。また、アルバイトなどの臨時雇用には社会保険の負担をしない企業も多いことから、社会保障費にも影響がでる。したがって、国の体力を維持するという意味においても、雇用の促進は国家政策の急務であろう。ところが・・・
4月5日の朝日新聞夕刊によれば、社会保険庁改革に関連して、2万8000人強を擁する職員のうち、およそ4割にあたる1万人の削減を要とする合理化試算を提示したという。社会保険庁については、国民のカネをカネとも思わぬような乱脈ぶりが指摘されてきており、廃止案すらでるなど大幅な改革を迫られている。そのひとつとして人員の削減だというのだが、削減の内訳をみて大いに驚いた。正規職員のおよそ2割、非常勤職員のおよそ6割の削減。どういうことかといえば、正規職員を現在の1万7365人から1万3600ほどに、非常勤を同じく1万1461人から4500前後に減らしたうえで、外部委託(アウトソーシング)を推進するというのである。非常勤という不安定な雇用を1万人以上も国が抱えていたというのにまず仰天させられたが、このうえフリーターのよりどころである外部委託を推し進めるとは、一体全体どういう発想なのか?
しかしそれよりも疑問なのは、人減らしをすれば改革になるのかということである。あいにく同庁に知り合いの類はいないしその仕事ぶりを直接みることもないが、ほとんどの職員は日々を真面目に過ごしているのではないだろうか。たしかに非常に多くの面で信じ難いバカぶりを発揮してくれる組織だが、1万人の削減というのは、そうした真面目な職員を単に切り捨てるだけではないのか。だとすれば、切り捨てられるひとびともまた、犠牲者だということになってしまう。
こんなトカゲのしっぽきりで誤魔化されてはいけない。本当の膿は別のところにある。職員も仕事に誇りを持っているのなら、大いに声をあげるべきであろう。
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