2018.05.22

しゅぽ、こらじはごぬん・雨の東海岸編・・・の巻

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  슈퍼 꼬라지 하고는〜♪

  現場は三陟。その名も「中央スーパーマーケット」。しゅぽ(슈퍼とすぽ(수퍼)が混在しているのはよくある話だが、マーケットの「ット」の部分にあたる看板のハングル(케+ㅌ)はわが家のMacでは入力不可(ついでに電子辞書でも同様。ウィンドウズでは入力できたが……)。
  どうでもいいといえばいえるけれど、しゅぽのフルネーム「しゅぽまけっ」は一般には슈퍼「마켓」。アウトにあたる「아웃=アウッ」と同じノリだが、ローマ字をそのまま充てるとそれぞれ「makes」と「aus」。この店の看板に沿えば「maket」となるのでこちらのほうが正しいというか“近似値”のように思うのだが、まぁこんなくだらないことにアタマを悩ませるほうがどうかしているのであろう(笑)。ちなみに、タイ語では地名ひとつをとってもその場しのぎとしか思えないように綴りが混沌としているといった話を聞いた。

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  슈퍼 꼬라지 하고는〜♪

  あの「ソンウ理容院」のほど近くにある「トンチュンしゅぽ(동춘슈퍼)」。トンチュン(ドンチュン)といえば、なにをさておいてもあのケドンチュン(계동춘)。ドラマ「いかさま師(타짜)」の影の主役というか、チャンヒョクやハンイェスルら若手主演陣らの存在感を、ベテラン親爺軍団たるキムガプス(アグィ)やチョサング(ケミワン)とともに喰いまくってしまったそのひとりである。

  そのケドンチュンを演じたチャンウォニョンにはその当時からシビレていたが、日本でも人気を呼んだドラマ「ベートーベンウイルス(베토벤바이러스)」の主役・カンマエを演じたキムミョンミンと人気というか話題を二分していたほどの役者だということを、はたしてどれだけの日本の“韓流ファン”がご存知だろうか?
  ケドンチュンは悪役アグィの手下にしてもちろん悪役ではあるが、当時の大韓では「キャッワユィ〜♪」と話題を集め、ネットの検索語ランクでキムミョンミンとトップを争っていたほどだったというのである(本当。しかしチャングンソクの立場やいかに?)。で、その記念すべきトンチュンの名を冠したしゅぽがコレというワケですね(両者には関係はないと思うが・笑)。

  ちなみのこのヒトですYOо(^ヮ^)о
とんちゅなことチャンウォニョンインタビュ〜!

  かん高いお声がチャーミング。昨年、目出たくも御結婚なさったという。축하예요〜!

  それはそれとしてあのドラマ(いかさま師)。コニ(チャンヒョク)とナンスク(ハンイェスル)とが恋人同士だったりするのだが、オレだったらその顛末はつぎのようにしたことでありましょう。

とんちゅな「ナンスク、行こうか」
  踵を返すように立ち去ろうとするとんちゅなとナンスク。コニ、なにが起きているのか理解できない。
コニ「……?  ナンスク?  どこに行くんだ?」
ナンスク「ごめんね。コニ……」
  手を出し合うとんちゅな&ナンスク。じつはふたりはいつの間にか愛しあっていたのである。哀れみのまなざしでいまいちどコニを見つめ立ち去るナンスク。その隣でほくそ笑むとんちゅな。めでたしめでたしわっははははははド〜〜〜ン!

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  슈퍼 꼬라지 하고는〜♪

  ソウル駅の裏側には庶民的な街並が広がっていて好もしき雰囲気。

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  슈퍼 꼬라지 하고는〜♪

  モア(모아。「集める」といったニュアンスの大韓語)コンツェルンか?

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  슈퍼 꼬라지 하고는〜♪

  雨にけぶる白岩温泉。

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  슈퍼 꼬라지 하고는〜♪

  三陟に向かうバスの車内からパチリ。「슈퍼식당(しゅぽシッタン)」ってのは、「スーパー食堂」なのか、はたまた「しゅぽ」と「食堂」ということなのか……?  わりとポピュラーな物件ではある。

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  슈퍼 꼬라지 하고는〜♪

  三陟駅前の大通りから撮影。大通りとかくれんぼしている控えめなしゅぽである。

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  슈퍼 꼬라지 하고는〜♪

  今回のしゅぽ大賞。現場は正東津。
>(前略)たれ流してスッキリして出てくると、原料をまた補いなさいといわんばかりにキオスク陣取る(『定本・ディープコリア』青林堂ほか)
  という世界。だいぶスッキリとしたたたずまいではあるが。それにしても、正東津にはなんども訪れているので、こんなにイカした物件を見落とすハズもないのだが……。そこで、帰宅してからDAUM地図をチェックしてみた。

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  そしたら、2015年5月の段階では「しゅぽ」の看板はなく、かわりに「割引売場」とあったようだ。これでは素通りしてしまっていても仕方がないと納得。ちなみに「메장(メージャン)」は素直に見れば「売り場」ではあるけれど、「故売」の意味もあるらしい(笑)。

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  2010年6月。よくよく見れば「正東津砂時計割引売場」とある。「砂時計」とはいうまでもなく大韓ドラマ史上伝説の名作「砂時計(모래시계=モレシゲ)」のことである。
  じつは、この春に久々にDVDで鑑賞したのだが、やはりココロに染み入ってくる傑作だと再認識した。

  いまでこそ国際的に知られる観光地である正東津だが、かつては最果ての……とはいかないまでも寂れた漁村のひとつにすぎなかったという。その運命を変えたのがドラマ「砂時計」だったワケだが、かといってこの地の場面が大仰だったということでもなく、いわんやロマンチックな場面で登場したということでもない。
  父親への反発などもあって学生運動に身を投じていたヒロインのヘリン(コヒョンジョン)。当局による弾圧から逃れるべくうら寂れた漁村に逃れていたものの、ひょんなことから当局に目をつけられてしまう。そして身柄を拘束されたその場面が、ほかならぬ正東津駅だったということなのだ。時間にしてほんの2〜3分程度のシーン。言い換えると、たったそれだけのシーンが、正東津を著名観光地へと変貌させるきっかけとなったのだから運命というものはわからない。

  そんな海辺の町・正東津。そして海辺の駅・正東津駅。その海原を目前にした吹きさらしのホームの印象は場面背景とともに胸に迫るものがあるが、現在の正東津にそれを結びつけるのは難しくなってしまったかもしれない……。



  ▲ドラマ「砂時計」オープニング。グっとくる味わいだ。



  その「砂時計」でたびたび使われている音楽にドミトリー アレクサンドロビチ ホロストフスキーが歌う「白鶴」がある。こちらも名曲ではあるが、残念なことに「砂時計」のサントラ(OST)CDには収録されていない。で、ふとした思いつきでネットを検索したところ、これまたシビレてしまいMASITAというのが上の動画である(Сranes /Zhuravli : Dmitri Hvorostovsky/2016)。

  ところで、「白鶴」とアタマで理解していたものの、まっ先に検索画面に打ち込んだ文字は「SUWAN」。いうまでもなくこれじゃ「白鳥」だ。ゆえに出るべきものがヒットしない(あたりまえ)。単なるウッカリではあるけれど、ふと思った。SUWANに単数形の冠詞をつければ「A SUWAN」。にゃるほど、あの「アスワンダム」の「アスワン」と同じ綴りではないか。ということは、「白鳥の湖」というのはアスワンダム湖のことだったんですなァ……と気づき、さっそく調べてみた。

>チャイコフスキーの代表作のひとつとして名高いバレエ音楽「白鳥の湖」(中略)ドイツの童話『奪われたベール』が創作の下敷きにされたというのが定説だが、近年、これに異を唱える動きもあり、学会でにわかに注目されている。トルクメニスタンの音楽研究家・アリラン ナシモフによれば、ナイル川のアスワン湖の情景からチャイコフスキーが物語の想を得たというのである。(『バレエ〜その物語の地を歩く』アイボー グッドフェロー著・加賀太訳/深韓書院・2016年)

  はたして真相やいかに(笑)。

  という次第で、大韓散歩2018年春の陣でごぢいMASITA。

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2018.05.16

不定期連載・くむじや〜第11話・・・の巻

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  車庫前駐車禁止(차고앞주차금지)。
「くむじ」の基本形にして優秀作である。
  あれこれ地面に書き重ねた跡が見てとれるのもイイ味わいだ。

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  上水道のマンホールにもちゅ〜ちゃくむじ。

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  こういうところにタバコの吸い殻を捨てるヤツは、国を問わずにいるということなのであろう。

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  捨てるなと言っているそばから捨ててある。

  喫煙問題云々が深刻ということなのかはたまた過剰反応なのかはともかく、大韓ではたとえば「KーPOP」などでも歌詞にタバコや酒などが出てくると「成人指定」にされてしまうという。
  いつだったか、「宮崎アニメ」のなんだったかが大韓でテレビ放映されていたのはいいとして、タバコにモザイクがかけられていたのには「ちょっとやりすぎでは?」と思ったものだ。件の場面は、自宅でタバコをくゆらす亭主に対し女房が「やめてくださいよ」とたしなめるくだりではあったのだが……。

  ところで、正月だったかテレビでアニメ「君の名は。」が放映されたので録画して2度ほど見てみた。話題作であるのは知っていたものの、学生のころはともかくアニメとは縁遠くなっていたこともあり、じつは見たのは今回がはじめてである。面白いし「巧い!」と何度も唸ってしまったものだ。ぜひ映画館で見てみたい。きっと大迫力な画面にもシビレるに違いないと思う(とはいえ、正直なところ音楽は好きになれなかったしなれそうにもない。だいぶ前に大ヒットした某シリーズものを見てみたさいに音楽だけがステキだと思ったのを思い出す)。それはともかく、テレビ番組のスポンサー(映画そのものもか?)がJTというタバコ屋であることにはやや違和感を覚えた。

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  コレもベーシックな作品。

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  わが家に灯油用ポリタンクがふたつあるので、せっかくだしデザインし(書き殴るともいいますね)てみようかしらんо(^ヮ^)о

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  もともとそのテのステッカーが貼ってあったハズだが……。これもわりとみかける傾向の作品だ。

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  コレはアートではないが、現場があの「ソンウ理容院」(前回参照)だという点がポイント。

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  他人の家の門前にわざわざ駐車するヤツがいるのかと思うかもしれないが、こうして「車庫前駐車禁止」とある以上は酷い目に遭わされたことがあるのかもしれない。ソウルの道路事情を物語るひとコマという見方もできましょうか。

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  無断横断くむじ(禁止)。
「これから横断しますヨ!」
  と断わればよかんべぇと小学生並のリアクション。

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  正東津駅前のしゅぽ前。

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  いうまでもなく、被写体は「ミスターフレッシュ」ではなく「ちゅ〜ちゃくむじ(주차금지)」のほうである。てか、こんなところに駐車(?)してていいのか?

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  路面も油断大敵。

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  三陟駅前駐車場にも「ちゅ〜ちゃくむじ(駐車禁止)」。

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  ようは乳母車(ベビーカーなんぞどいう植民地根性用語は使わんゾ!)などを載せるなということで主旨は理解できるのだが、コレと類似のブツが成田空港駅(JR・京成とも)のあちらこちらに林立しているのは正直邪魔でしょうがない。駅員に訊ねたところ、スーツケースなどに対し注意を促しているとのことだが、成田空港ともなれば大型の荷物を手にした乗客はけっして少なくないハズで、注意は注意としても、迷惑に思っているひとは多いのではないだろうか?  設置している側もそう深く考えているとは思えないし(一方で自動改札レーンの幅を広げるといった気配りをしていたりもするのだが……)。

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  コレもステキな作品。「상가앞(サンガアプ)」とあるのは「商家前」の意。どことなく大韓時代劇っぽくてイイではないかと思うが、同音異義に「喪家」(前)というケースもある。そんな「喪家前」にコイツが立っていたらさらに点数アップしたのだが(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)?

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  本体が朽ちても「ちゅ〜ちゃくむじ」は残りそうな気配。

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  蔚珍バスターミナルにて。「현수막부착금지(ヒョンスマクプチャッくむじ)」ってを直訳すると「横断幕付着禁止」。言われてみれば、こうしたフェンスや壁などは、大韓の“街の社長たち”にとって格好の宣伝媒体ではありますね。

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  スズメがきゃわゆい♪
  ところで、この現場の蔚珍(울진)は「ウルチン」と読む。ところが、現地などでみかけるローマ字表記は「Uljin」。摩訶不思議。こういうのはけっして少なくはないのだが。

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  ちゅ〜ちゃくむじと双璧をなす路上アートの華「소변금지(ションベン禁止)」だが、いざとなると作品に巡り会う機会は少ない。が〜。そりゃいいとして、イラストにはションベンだけじゃなくでかいほう(대변)も描かれていますなぁ。ケンチャナヨ!
  なぜか、つづく(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

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2018.05.10

数年越しの邂逅?・・・の巻

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  ソウル駅。そういえば、こちら側からしげしげと眺めた覚えがないなと思った。駅前に「安全輸送」の石碑。大韓で漢字教育を受けていない世代がその意味を理解しているかどうか気にならないでもないが。

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  大韓的風景ココにアリラン。

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  雑然と見るムキもあるのだろうけれど、オレはけっこう好きなのである。こういう風景が。

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  そんな街を歩いたその目的地。この성우이용원(ソンウ理容院)は、なにかの調べものをネットでしていて偶然に発見したステキな物件。かすかに室内の蛍光灯の灯がもれているように、もちろん現役の床屋である。

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  このあまりにもシブイ出で立ちにグッときたのは言うまでもない。そのときは、さっそく訪れてみるべぇと思ったが、ソウル駅から徒歩圏内(路線バスを使ってもいいが)という地の利のよさが徒になり、ついつい後回しに。かれこれ3〜4年越しにてやっとこさやってきたというワケでごぢいます。
「帰国したら運転免許の書き換えはあるし、散髪してもらうのも面白そうだ」
  と思ったが、すでに先客があったので、眺めるだけで退散。
  それにしても、こういうイカした物件が、それもソウルのど真ん中にあったりするのも大韓、あるいは都会の面白いところではある。

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  おっと「宇宙ロイヤル(우주로얄)マンション」(春の楽しい地名遊びо(^ヮ^)о宇宙編の巻参照)。

  慶州付近の車窓で遭遇したこの集合住宅、大韓では珍しく「マンション」となっている。大韓では高層の集合住宅が各地でエノキダケのごとくニョキニョキと生えているが、それらの多くは「アパート」を名乗っており、本来の意味からいえばこれが正しいハズ。

  どういう次第か、わが国ではちょっと値段の区分が高くなりそうなあたりで「アパート」と「マンション」とが“出世魚”のごとく区別されているが(アパート→コーポ→マンション・・・の類。大韓宿泊施設の旅人宿→旅館→荘旅館→モーテル→ホテル・・・みたいなものか?)、マンションって豪邸だのお屋敷だのというニュアンスの英語ですよねぇ。ある種の集合住宅を指すのであれば「アパートメントビルディング」や「アパートメントハウス」、あるいは「コンドミニアム」とでもなるハズで、この日本式の言い方を学生のころから「なんかヘンだなぁ」と思ってきた(そんなことを思ったきっかけはあのディズニーランドの「ホーンテッドマンション」であった)。
  したがって、そこいらの集合住宅を指して「マンション」とするのはどうにも抵抗感があるし、かといって雑誌記事などで「アパート」としても一般の日本人読者には誤解を受ける可能性もありそうだしということで、個人的には「集合住宅」を第一選択肢にしている(版元の意向に合わせる場合もあるが)。

  しかし、「アパート」というニュアンスには、学生のころに憧れたパリの街並や映画「アパートの鍵貸します」(コレはまぁ米国映画だが)の世界よろしく、「エスプリ」(笑)が漂ってはいまいか。「アパート」でなにがいけないと思う(類似のニュアンスで、たとえば葡萄酒は断固として「葡萄酒」。「わいん」だのの甘ったるく呼ばれるより、「葡萄酒」とするほうが旨そうだ。似たようなことはあの本多勝一もどこかで書いていたが)。

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  おっと、宇宙不動産(宇宙公認仲介社)。現場は盈徳市外バスターミナル付近。雨のなか、ふと見やった辻に宇宙アリラン。油断できねぇとはこのことだが、月やら火星やらの物件を取り扱っているかどうかは確認しなかった。雨のなか歩くのも億劫だったし……。

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  こちらは平海バスターミナル裏の「チョンウ健康院」。あれこれお品書きが並べられてあるが、この場合の被写体は、右下にある「개소주」の文字である。「ケソジュ」、すなわち「犬焼酎」。画像検索などはしないほうが無難だとひとこと添えておきましょう(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

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  雨のなかを歩いていたら、こんな野生動物がこちらの気配に驚いたのかけたたましく右往左往の巻。現場は東海線の長沙駅付近。すでに触れたように、長沙駅は路線ともども今年開業したはいいもののハナっから駅舎すらない無人駅。そんなイカしたロケーションに相応しい歓迎であった。

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  ドロボー注意。

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  正東津のプッチェギルで見かけたイカしたデザイン。

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  そのプッチェギルに潜むスピーカー。ちょっとほしいと思った。

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  友人Rのイラストを思い浮かべた。

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  鬱陵島海洋深層水。買わなかったが。

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  KORAIL(SRTも)の自動券売機はクレジットカードもいちおうは使えるが、どういう次第か大韓国内での発行カードにしか対応してこなかった(窓口では外国発行カードも利用可)。券売機で買うとレシートではなくひと昔前の様式の切符(クレジットカードサイズの軟券)が発行されるので、おのずとこちらを好んでいるが、カード決済ができないのが不満でならなかったのである。が〜。やっとこさ外国発行カードにも対応するようになったようだ(今回は使わなかった)。

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  日本の機器メーカー・クボタの看板だが、ハングル表記はなぜか「グボダ(구보다=Guboda。発音はKuboda)」。すぐ隣には「Kubota」とあるのだが……。こういうのはけっこうあって、代表的なところでは東京が「토쿄(Tokyo)」でなく「도쿄(Dokyo。ただし発音はTokyo)」となっていたりもするが、ちょっと不思議な気もする。

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  今回も帰路は航空会社がビジネスクラスをふるまってくれたо(^ヮ^)о
  あの「コノワタ事件」から2夜がすぎ、お腹もそれなりに回復。とはいえ、朝昼抜きのまま訪れたラウンジで久々の食事となったが、まずは大韓式お粥でリハビリ。機内食もおいしくいただくことができた。座席番号1Aというのもイイ気分でしょう♪

  ちなみに機材はエアバスA321。じつはあの3×3列座席の小型機に乗るのが(空いていればともかく)大嫌いで、以前に成都からの夜行便での帰途も、それゆえにマイレージをつかってビジネスクラスにアップグレードしたほどなのである。まぁ、贅沢をいえる身分でもないし、たかだか日韓間の2時間ほどを我慢しなくてどうするという話ではあるけれど、なんにしてもありがたかったサプライズでありMASITA。

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  仁川国際空港。
  ところで、今回の大韓散歩(東海線〜東海岸〜京江線)の模様は、「交通新聞」5月11日づけに「話題の韓国東海岸周遊の旅」と題して寄稿しております。業界紙ゆえ入手にやや難があるかもしれませんが、ご笑覧いただければ幸いです。

  つづく(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

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2018.05.04

京江線のとある午後・・・の巻

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  正東津駅。手前は旧駅舎。こうしてみると、わざわざ駅舎を新築(増築?)する必要はなかったような気がしないでもなし……。

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  それはともかく、嶺東線の旅客列車はいまだ正東津で足留め状態。京江線開通時かそれからほどなく運行再開するハズだと思い込んでいたし、現に今年になって3月下旬ごろに復活するという話を目にしていたが、5月を迎えてもなお、その気配すらないどころか……というていたらくである(後段参照)。したがって、正東津以北はバスに頼らざるをえないのだが、今回の大韓散歩に限っていえば、むしろそのほうが都合がいいのであった。

  ところで、このバス停(正東津)の時刻表、なんと停留所の予定通過時刻が記されてある。
「ンなことあたりまえじゃないか!」
  と思われるかもしれないが、大韓では該当バスの出発停留所の時刻が記されているのがせいぜいで、時刻がまったく掲出されていないケースもザラ。この正東津式の例はほかに済州島などで見かけたことこそあるものの、大韓にあってはイリオモテヤマネコ並の稀少物件といえましょう(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

  以前がどうだったかいまひとつ思い出せないのだが、江陵市内バスの公式サイトでは大韓スタンダード(出発地時刻のみ掲出)を採用している。ひょっとすると平昌五輪効果かもしれんと思いつつ乗り込んだバスでは英語の放送も流れた(個人的には不要というかうるさいだけの“サービス”ですがね)。しかしそれはいいとして、問題はその吹き込まれた声だ。
  声色から察するに白人女性によるアナウンスのようだが、コレがなんとも無愛想の極致というかなんらやる気の感じられない投げやりな声色なのである。もっといえば、わざわざ相手を不快にしてやれといったふうな悪意すら感じさせるシロモノなのであった。日本の鉄道やバスなどでも類似の感想を抱くこともあるが、それよりもかなり強烈。英語を母語とするひとびとを含め、耳にしたひとからぜひとも感想をお聞きしてみたいものである。

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  で、やってきたのはこんなところ。
  1月の巻で京江線KTXに乗ったさい、適度な展望とカーブとがあったポイントが印象に残ったので、帰宅してからDAUM地図で場所とアクセス手段とを探っておいたのであった。

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  もっとも、天気はこんな案配だし、歩いているだけでボヤキたくなるほど寒いし、そのうえ手前の田んぼは冬枯れのまんま。たいした絵にもならんなァと思うのだが、いちおうは走行シーンめいた絵を確保しておきたいのであえて立ち寄ってみたのである。

  それはそれとして、じつはこのときはちょっとした勝負を強いられていた。前夜のなにがしか(たぶんコノワタ)が大当たりしてしまったからだ。
  夜半ごろから猛烈な下痢と発熱(推測では39度以上)とに襲われ、水すらマトモに飲めないような状態だったのである。それでいて、こんなところに気軽に使えるトイレがあるワケもないし、KTXの撮影はともかく、バスダイヤに従う限り1時間以上はなにもない寒空の下で過ごさざるをえないのがタマラナイ。幸いにして正東津の宿をチェックアウトしてからソウルの定宿に辿り着くまでの間は奇跡的になにごとも起こらずにやり過ごすことができたが、その後は翌朝まで七転八倒というありさまであった(笑)。なにしろ、16時すぎにチェックインするや、翌朝10時前にチェックアウトするまで部屋に隠ったままだったのである。宿のみなさんも怪訝に思っておられたようで、
「いやぁ、じつは……」
  と翌朝に明かすと、
「あらあら。それは大変でしたねぇ……」
  と、目を白黒もとい丸くされてしまいMASITA。
  ほとんどコレラのような状態だったが、おかげで腸の大掃除になったのか、その後はむしろ快便の日々というオマケつきであった。まっ、ケンチャナヨо(^ヮ^)о

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  江陵駅に着くころになって、仁川空港到着後以来の陽射しが……。クソッ!

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  1月(五輪前)の巻のさいには大賑わいだった江陵駅だったが、あらためてやってきてみればこんな案配。まぁ、そうだろうよねぇ……。

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  その江陵駅にて、ショッキングなできごとを知るハメに。
  1月に訪れたさいには2面4線のうちの1面2線、具体的にいえば1・2番線ホーム案内に正東津など嶺東・太白線の駅が列挙されていた。どうやら「ムグンファ号」など在来列車用にあてがわれる予定だったようで、これならば京江線と嶺東線とを介した周遊旅行もしやすくなるだろうと楽しみにしていたのである。
  ところが、再びやってきた江陵駅1・2番線案内から正東津の名どころが「ムグンファ号」の文字がスッポリなくなってITA……。

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  ひょっとして3・4番線のカン違いだったかもしれんと思わないでもなかったが、待っていたのは空しい現実であった。
  一番左の「인천공항」は仁川空港。京江線に限らず、KTXの一部列車は仁川空港発着で運行されてきたのだが、じつはこちらも五輪後に運休(無期限……らしい。事実上の廃止とも?)となってしまった。今回のプランニングにあたって、仁川空港からそのまま江陵ゆきKTXに乗り、逆ルートで南下するということも思い浮かんでいたのだが、そもそもがそんなことは不可能になっていたのである(今回は仁川空港から東大邱に直行して1泊したが、KTXがこのザマなのでバスを利用せざるをえなかった)。壮大なるムダ遣い……。残念ながら、そう思わざるをえない。

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  あとは京江線KTXに乗ってソウルを目指すのみ。

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  ではあるけれど、せっかくなのでひと駅だけ降りて、その後の様子を瞥見することにした。五輪開催の中心地であった珍富かタイトルにもなった平昌かで迷ったが、平昌では時間が空き過ぎる時間帯だったため、珍富で降りてみた。

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  1月のときはそれなりに乗り降りがあったし、五輪開催中は途中駅で唯一全列車が停車していた珍富だけれど、降りたのはほんの数名で、乗り込んだのも十数人といった案配。しかも、1月のときと同様に構内工事がまだ進められていたのには驚いた。

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  まつりのあと……。

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  同じくまつりのあと……。扉は閉ざされていた。

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  もうひとつまつりのあと……。記念品のひとつでも買おうかなと思っていたが、店を開くのだって人件費やなにやらが必要ということだろうか。

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  モバイル充電サービス。オレには縁もなければ、よほどのことでもなければ、今後も縁のないシロモノだ。

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  ソウルゆきKTX一般室。東海線「ムグンファ」ほどではないにせよ、ご覧の案配であった。

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  珍富からは特室とした。もっとも、第1世代とは異なり、一般室のアコモが十分に改善されているうえ、特室にしてもJRの新幹線の普通席にも及ばないレベルの座席なので、一般室で十分という感じがする。終始、空席のほうが目立つ道中であった。

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  という次第で、ソウル駅に到着。
  つづくのだ。

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2018.04.28

極寒の正東津でココロ温まる・・・の巻

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  東海線の終点・盈徳からつぎに鉄道のある三陟までバスをリレー。三陟からは「海列車」をつかまえ、この日は正東津に宿を取る予定である。
  平海から江陵ゆきに乗れば三陟まで直通できそうだったが、ダイヤと所要時間を勘案すると肝心の「海列車」に間に合わない可能性もあったので、途中の蔚珍で乗り継ぐ作戦とした。

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  三陟市外バスターミナルには11時ごろに到着。これならば徒歩でのアクセスでも11時53分発の「海列車」に間に合うハズ……ということで、寒空のもと三陟駅へと急ぐ。
「正東津まで、海列車の一般室を1枚ください」
「……一般室は売り切れです。特室なら1席だけありますが」
  なんと手にしたのは最後の1枚。あぶないところであった(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

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  三陟駅から盈徳方面を望む。本当にココに汽車が走るときがやってくるのだろうか……?
  ご覧のとおり、観光列車の発着駅にも関わらず、三陟駅はセメント工場に間借りするかのようなロケーションでムードもへったくれもナシモフ。だが、映画かなにかの撮影に使ったらそれはそれでイイ感じになるような気がしないでもない。

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  当ブログでも何度も紹介してきた「海列車」。日本海に向けてシアターふうに座席が並ぶ(一部にボックス席と個室もアリラン)。

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  この日の主役は大韓おっかさん軍団。音楽(おもにトロット)専門テレビチャンネル「inetTV」の世界である。さすがに「鬱陵島ツイスト」や「ギターブギ」で踊っていたりはしないが。

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  正東津に到着。江陵まで行ってくれればありがたいのだが、正東津〜江陵間の安仁(貨物駅)まで足を延ばすものの、いまもなお全区間運転にはなっていない。

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  天気がよければ、バスでとあるポイントを訪れ京江線KTXの撮影に興じるつもりだったが、あまりの寒さに、定宿「キャッスルモーテル(캐슬모텔)」に逃げ込むようにしてチェックイン。
「ああっ!  お元気ですか!?」
「お久しぶりです!  3〜4年ぶりぐらいでしょうか」
  着くなり、経営者ご家族のみなさんからうれしい歓迎を受ける。寒さも吹き飛ぶ温かさにココロが和む。持参した銀座菊廼舎の定番和菓子「冨貴寄」(ちょっとした好物なのだ)を差し出すと、新鮮な果物をくださった。

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「ちょっとドライブに行きませんか?」
  お誘いを受けて、助手席に収まる。
「寒いでしょう。これを着ていってくださいね」
  出がけに、奥さんがダウンジャケットを出してくれた。ポカポカと本当に暖かいのであったо(^ヮ^)о

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  ちょっと気になっていた金津温泉のその後をチェック。以前訪れたさい、なんのィ予告も期限もなく休業状態。どこぞで営業再開という話を目にしていたような気がするのだが、たいそう立派な(高そうな)物件にとって代わられていた。かつてのままの源泉(茶色の炭酸泉)が使われているのかどうかが気になるが、高台から金津港と日本海とを望むロケーションは素晴らしいに違いない。いずれひと風呂浴びに再訪してみようと思う。

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「プッチェギルをご存知ですか?」
「プッチェギル?  はじめて聞きますが……」
  ということで案内してくださった「プッチェギル(부채길)」は、正東津南方の深谷港(심곡항=シムゴクハン)と正東津の高台に聳えるサンクルーズリゾートとの間、およそ2.9kmを結ぶ遊歩道であった。海岸段丘をなす海岸線に沿って整備されたもので、2016年にオープンしたらしい。
  という次第で、さっそく歩いてみることにしたのだが、絶景に違いない遊歩道にも関わらず撮影禁止を示すピクトグラムが目に止まった。よくよくみると、軍事施設の撮影を禁じる案内なのだが、そのほかにも軍隊の訓練などがあるときには閉鎖されることもあるようだ。正東津はかつて北朝鮮の潜水艦が上陸し軍事的衝突が起きたことでも知られ、汽車の窓からも海岸線の多くが鉄条網に遮られているのを目にすることができるし、要所には監視塔があるなど、どこどなくものものしさと隣り合わせ。そんなところに出現した遊歩道──どうやら軍の警備路の一部を開放したようなのではあるが──。これはちょっと面白そうではある。

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  道中はなかなかにシビレるのであるо(^ヮ^)о

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  なんでも、2300万年前の地殻変動の痕跡などが観察できるという。あいにく、地質学の方面にはとんと知識がないけれど、岩に刻まれた紋様などを見ると、この界隈の地層の成り立ちにある種の激しさが伴っていたことが感じられなくもない。

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  そんな岩の造形を眺めるのもいとをかし。

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  これが日本であれば、平家伝説かなにかと結びつけるところかも?

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  しかしまぁ、こういう天候とにつかわしい風景だなァとウレシくなった。

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  ところどころに見え隠れする軍事用と思しき径を眺めると、「こんなところで警備なり訓練なりをするのも大変だろう」と思わないでもない。が〜。こうして散策するぶんには楽しいひとときではあった。

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  ィ夜はなじみの食堂「サン韓食(썬한식)」でご当地名物・スンドゥブ定食をいただく。
「あらあら!  ちょっと〜、おとうさん〜っ!!」
  店を訪うなり奥さんが大騒ぎ。
「あ〜〜〜っ、ウエムラサンじゃないですか!」
「いやぁ、本当におひさしぶりです」
  正東津に立ち寄って、心からよかったと思った。同じく携えてきた銀座菊廼舎の和菓子を進呈。

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  氷雨が降ったりやんだり……。寒空のママ晴れぬ日々ではあったけれど、それ以上にココロが温まった正東津でのひとときであった。

  そして、27日に板門店で実施された南北首脳会談。さらに南北共同宣言。久々に胸が熱くなった。少々のムリをしてでも韓国に乗り込み、同じ国の地であの歴史的なできごとに触れるべきであったと反省すらしてしまった。まだ世の中は棄てたものではないと思った。


  남복공동선언을 진심으로 축하 말씀 드립니다.


  つづく。

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2018.04.22

シブすぎた東海線・・・の巻

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  氷雨にけぶる東海線。寒々しい散歩がつづく(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

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  浦項〜月浦〜江口〜長沙と駅を訪ね、最後に延伸区間の(暫定)終着駅である盈徳にやってきた。ちなみに、延伸区間の浦項〜盈徳間の運賃は2600ウォン。すなわち「ムグンファ号」の初乗り運賃と同じである。が〜。今回はかような乗り降りをしたおかげで1万400ウォン。単純に乗った回数をかけただけの話で、バカバカしいといえばいえなくもないが……でも、やるんだよっ(笑)!

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  盈徳駅からさらなる延伸が計画されている三陟側を望む。いちおうは工事が進められているようでホっとしたが、そのときまで存続できているのかすら心配したくなってしまう東海線の現状ではある……。

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  浦項側。よくもまぁ、こんなロケーションの鉄道新線が開業しMASITAなァという風情ではありますね。

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  とはいえ、盈徳はここまでの道中からすればたいそうな“大都市”。駅と市街地とのアクセスも不都合はないハズで、鉄道が存在感を示すことも不可能ではないように思いたい。

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  浦項を除けば、1面2線が2駅と1面1線が1駅という大韓らしからぬ慎ましやかな駅が続いてきたが、さすがに盈徳駅は立派。2面4線に加えて複数の側線を持つほか、駅舎だってご覧のとおりである。しかし、かようにナリの大きな駅舎ではあるものの、内部にコレといってなにがあるワケでもなく、設計の狙いはわかりづらい。
  日本であれば、なんらかの商業施設でも誘致するなりカネを出させて商売をさせるなりするところかもしれないが、そういう点で、鉄道駅の価値はあまり見い出されていないのであろうか。ちなみに訪問時も工事が終わっておらず、あの『定本・ディープコリア』にあった「8割でも四捨五入すれば10割」という「大韓算」ってのはホントなんだなァと妙なところで感心してしまうのであった。

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  その内部。ガランとした空間を持て余しているのはいいとして、休憩場所にすらならないのではないかと思ってしまった。

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  駅舎には東海線延伸区間開業を祝うイラストが……。この海の上で波を蹴散らしながら汽車が走っている風景はもちろんイラストの世界のなかでしかないが、世界は広いということか、コレとソックリな鉄道があるのかあったのかするのである。
  偶然にネットで拾ったその写真には、海上(湖上かも?)まっただなか水面ギリギリの高さに敷設されたレールのうえを乗客を乗せて走るディーゼル動車が写っている。よほどの辺境なのか、だいぶうらさびれた海辺のようだが、その常識を覆すというかあまりに非現実的な情景にシビレてしまったものだ。場所はヨーロッパのどこか。たぶんドイツ北部ではないかと推測しているが、調べてはいるもののいまだ判明していない。判明して、かつ現役であったとしたら、是が非とも訪問してみたいものだ。

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  盈徳駅構内(ほか)には、浦項乗り換えでソウルと大田、東大邱への速達をアピール。市外バスだとソウル(東ソウル)までおよそ7時間、東大邱まで2時間50分(大田間の直通便はなし)。十二分に対抗できるハズなのだが、通常は需要そのものが乏しいのかもしれない。

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  天気もアレななか、そんな東海線を後にして東海岸の北上をつづけることにした。
  じつは、汽車の走行風景も押さえておきたいと思い、事前にDAUM地図を用いて何カ所かの撮影候補地を挙げておいたのだが、前回まで記してきたように、極寒の雨模様とあっては断念せざるをえなかった。三陟延伸の後か前かはわからないが、いずれ再訪して、駅だけでなく沿線の町の様子なども探ってみたいものだ。

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  雨のなかをトボトボ歩いて盈徳市外バスターミナルへ。目の前に「ノルブ」(ポッサムのチェーン店)があったので、ポッサム定食で昼飯とした。

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  平海で下車。

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  何年かぶり2度目の訪問。この寂れきった風情というか、ドラマ「砂時計」の世界などを彷佛とさせるたたずまいがたまらんのでありますо(^ヮ^)о  奥のほうにバイクが止めてあるが、その近くに貼ってあるのはソウルの地下鉄路線図。ただしちょっとした年代物である。

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「乗り場はそこですよ」
  盈徳からのバスを降りるなり、同じバスに乗っていたらしいおばあさんが話し掛けてきた。一瞬、なんのことかわからず、ひょっとすると道でも訊ねているのかと勘違いしてしまった。
「日本人観光客なのですが……。これから白岩温泉に往きたくて……」
  すると、そんなことはわかってますよといった風情で、
「そこですよ」
  と今度は乗り場らしきあたりを指さす。ようは、こんなところで降りた日本人(らしい)の用事といったら白岩温泉ぐらいしかないだろうということで、親切に教えてくれていたようなのであった。
「ありがとうございます^^」
  おばあさんからも満足げな笑顔が返されてきた。
  という平海界隈のローカルバスの時刻表がコレ。

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  白岩ゆきまで小1時間ほどあったので、あたりを散策。以前訪れたさいにみつけた日本風情の木造倉庫は健在……というか、町そのものがほとんど変わっていないように見受けられた(国道の向こう側では鉄道のものと思しき工事が進められているが)。

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  下馬碑。

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  平海郷校。

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  という次第で、この日は山あいにある白岩温泉で1泊。以前と同じ元湯高麗ホテルに宿をとった。
  つづくо(^ヮ^)о

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2018.04.16

ニュータイプ(?)無人駅登場・・・の巻

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  前回のつづき(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)
  月浦のつきは江口で下車。ひと駅ずつ前進して、町や汽車の走行写真でも撮るべぇと思っていたが、極寒の雨模様とあってはいかんともしがたい。仕方がないので、ダイヤグラムを引っぱり出して上下ジグザグ乗り継ぎ作戦に変更することにした。

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  いちばん最初のプランでは、この江口で昼食を兼ねて長めの時間をとることにしていた。地図を見ると、やや離れているものの、江口港周辺まで歩けば食堂やちょっとした撮影ポイントもあるからだ。が〜……。

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  降りれみれば、駅前はこんな案配。

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  天気さえよければ悪くない田舎道なのでしょうけれども……?

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  駅裏(ただし、こちらが港側)に唯一認められた食堂。だが、看板空しくすでに売りに出されていMASITA。

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  こうなっちゃうと駅が唯一の避難場所となってしまう。

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  左:浦項方面、右:盈徳方面。「Track」とあるけれど、全列車が1番線の発着。なぜかっていうと、1面1線きりの駅なのである。
「んなもん、珍しくもなんにもないでしょ?」
  と思われるかもしれないが、大韓では希有な存在。ちょっと思い浮かぶ駅を挙げても、両元(嶺東線)と良子洞(東海線・トマソン駅)、雲泉、臨津江(京義線)、院北(慶全線・廃止)、元竹、臨陂(長項線・トマソン駅)、トッパウィ(ソウル地下鉄6号線)……探せばもう少しはありそうだが、挙げたなかでも半数が廃止ないし事実上の廃止駅であるように、現役で旅客扱いとしている駅となるとほんの数えるほどしかないのである。むしろ、大韓といえば2面4線以上があたりまえの世界で、過剰とも思える規模を持つのは珍しいことではない。ましてや今年開業したばかりの新線の新駅。なんだか奇跡のようにすら思えてならない。なにしろ、この東海線延伸区間を訪れる前は「きっと全駅が2面4線を持て余しているのだろう」ぐらいに想像していたのだ。もっとも、この驚きも、このあと訪れた長沙駅の前には霞んでしまうのであるが……。

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  駅前からは路線バスが連絡。ところが、行き先と経由地をみると、盈徳(영덕)の文字が。さすがに浦項との直通は(この駅からは)していないようだが、本数もこちらのほうが多いし(運賃も安いに違いない)、これでは汽車がガラガラで走っていて当然という気がしないでもない。

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  江口から長沙に逆戻り。全車指定席だが、どうせガラガラなので、スペシャルシートで寛ぐ。モノクラスの運行だが、気動車「ムグンファ号」の車端部の一部は個室(8席)のようになっており、「セマウル号」転用などグリーン車並の座席が備えられているのである。

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  長沙は「장사(チャンサ)」。「商売」も同音異義の「장사」だが、ほかに「葬事(葬式)」という意味も……。葬式の場で花札に興じたコニ(チャンヒョク)が「チャンサ(10+4)」で負けたという場面がドラマ「いかさま師(타짜)」にあったが。
  長沙は高架のごくありふれた1面2線駅。ところが、ホームから階段を降りたら……、

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  そこがそのまま出口であった(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)
  コレには面食らった。

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  なんとこの駅、無人駅であるのはいいとして、ハナっから駅舎がないのである。もちろん、切符の自動販売機もない。遠からず三陟まで延伸し、釜山〜江陵間という長大路線となる予定であるうえ、ひょっとすると元山など北朝鮮側の線路とつながるかもしれないとはいえ、この時代によくもまぁこういう路線と駅とが開業したものだとウレシくなってしまった。

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  もっとも、月浦駅でもらった路線案内によれば、この長沙駅にもそれなりの規模とデザインを持つ駅舎が計画されていたようだ。単純に予算の問題なのか、はたまたふと我に帰ったのかはわからない。しかし、駅前やその視界には、ほかの駅(浦項を含む)と比べるまでもなく、生活感が十分に漂っているのであった。とはいえ、降りたのはオレのほかにはただのひとりもなく、あとから来た列車に乗ったのも、オレのほかはひとりだけという有り様ではあったが。

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  BUSの文字が空しい……。

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  駅前(海側)にはそれなりに家並が広がっている。

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  反対側はのどかな山里の情景。身の置きどころがないので、ホーム上の待合室で雨と寒さをしのぐ。閉じ込められ「ブンブン」いっていたハエが哀れであった。

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  ナゾの円盤が風に揺れる。トリ除けかもしれない。ホーム上の屋根は、巣づくりには悪くないだろうからねぇ。

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  再びスペシャルシートでひと休み。座席は通常の「ムグンファ」仕様だったが、代わりにこんなテーブルが設えられてあった。
  つづくо(^ヮ^)о

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2018.04.10

嗚呼、恨めしき雨の東海岸(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)・・・の巻

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  出かけるころ、わが家の庭ではモモの花が咲き誇っていた。モモクリ3年というけれど、実がなったのはただの1度きり。今年こそおいしいモモがたわわに実ってくれるのだろうか……?  佐渡島が「モモ〜ッ!  モモ〜ッ!」と大騒ぎしていたのを思い出す。なんのことやらわからないと思いますが(笑)。

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  そんなポカポカ陽気つづきというか、記録的だという晴天模様の日本から大韓にやってきてみれば、待ち受けていたのは無情の雨であった……。
  いくつか地図上であたりをつけておいたポイントで、春の陽射しを浴びながら汽車の写真でも撮るべぇと意気込んで出かけたというのに、オートフォーカスが定まらないほどの案配。しかも冬に逆戻りしたかのような寒気に被われ、江原道の雪岳山あたりではそれなりの積雪もあったらしい。……そんなのがほぼ3日間。すでに帰国したいまごろの現地には春陽気が戻っているハズで、ますます面白くない(笑)。こういうときにテレビ画面なんぞで개새끼아에(ケーセッキアベ)のトン(똥)面を見ちゃったりすると、なにかと健康によろしくないのであります●~*

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  今回は、仁川国際空港に着くや、そのまま市外バスを捉まえて東大邱で1泊。駅前が大整備されたのは知っていたが、バスと鉄道との連絡が考慮された便利なターミナルに生まれ変わっていた(左:東大邱駅、右:新世界百貨店と東大邱バスターミナル)。

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  その名もズバリ「東大邱駅複合乗り換えセンター(동대구역 복합환승센터)」。
  以前は、駅前通りに面して古びた高速バスターミナル3棟が顔をつきあわせていたほか、2キロ弱離れた位置に東部市外バス停留場があり、行き先や運行会社ごとに乗り場がまったく異なっていた(ほかに西部と北部および南部市外バスターミナルがある)。とりわけ、「市外バス」と「高速バス」との違いはもはやまったくないといってもいいため、乗り場をわけるのも不合理。少なくとも東部は東部としてひとまとめしたことにより、利便性が向上したのは間違いないだろう。

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  切符売り場は意外と小ぢんまりとしている。混雑期の様子が気になるところだ。飲食店や売店もあり、鉄道との乗り継ぎ旅にも利用しやすそうに思えた。

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  ィ翌朝。6時発の浦項ゆき「ムグンファ号」に乗り込んで東海岸方面を目指す。かつては西慶州〜羅原間を三角線でスルーし慶州駅を無視する形だったが、気動車編成を活かすことにより慶州駅に乗り入れスイッチバック運行が実施されている。その慶州駅構内に「ヘラン号」が……。あちらの御一行様も雨である。

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  浦項にやってきたのは、今年1月26日に開業した東海線の浦項〜盈徳間に乗るため。7時48分に浦項に着くと、東海線一番列車7時58分発に乗り継げる。ところが、到着した浦項駅2面4線ホームにはあるべき盈徳ゆき列車の姿がない。いくらなんでも先走って「アンニョ〜ン♪」ってこともなかろうと訝っていたら、乗ってきた浦項ゆきのサボが「浦項〜盈徳」に差し換えられていた。日本でもよくみられる運用だし、いつだったかは仁川で乗り換えたバンコクゆきの機材が成田から乗ってきたのとと同じだったということもあった。東大邱〜盈徳間の直通運転だとしたらいくらかィ安くなったのかもしれないなと思わないでもないが、こういう運用を目の当たりにするのも面白い。

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  とはいえ、乗り込んだのはわずかな人数にすぎず、かつての盛線や興浜(南北)線などをつい思い浮かべてしまう。もちろん非電化単線での開業。運転本数はたった1日7往復で、途中駅での行き違いはできるものの、現行ダイヤは全区間1閉塞でも問題がないという閑散ぶりだ。いずれは盈徳〜三陟間が開業し、釜山〜江陵間を結ぶルートとなる予定だとはいえ、この時代にかようなローカル線が開業したというのもある意味ではあっぱれかもしれない。ともあれ、まずは乗ってみようと思う。

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  ファンシーなデザインの専用編成(?)も。

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  いちおう全車指定席だが……。

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  いよいよ新線区間へ。天気や風景はどうあれ、この瞬間はいつもながらに楽しいо(^ヮ^)о

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  あれこれ途中下車乗り継ぎプランを練っていたが、雨の影響は大きい。で、ひと駅目の月浦で下車。あとで降りるつもりだったハズなのだが。

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  雨と寒さのなか、簡素な待合所であってもありがたいものだ。

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  駅前からはバスが接続。列車よりも本数が多いうえ、盈徳との直通便もある。それはいいとして、肝心の月浦(駅前)の時刻は、この表のどこを見ればいいというのか? & &大韓でよくみかけるスタイルのバス時刻表ではあるが、これではとうの大韓人だってクビをかしげてしまうに違いない(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)
  もとい、そんなところもイイと思うからこその大韓散歩なのではありますが。

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  駅から5分ほど歩くと月浦海水浴場にぶつかる。大韓名物・マルセルデュシャンふうのデザインもまたよろし。

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  砂浜というより……?  それにしても寒い是!

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  短い滞在を終え、2本目の列車に乗り込む。車内に盈徳の観光案内などがラッピングされていた。夏には賑わってもらいたいと思う。

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  車窓は新鮮。高架から見えかくれする日本海の展望もいいし、日本のそれとは異なる地勢を眺めるのもいい。
  つづくо(^ヮ^)о

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2018.04.04

しゅぽ、こらじはごぬん・タイ国鉄東線編・・・の巻

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  ただいま大韓散歩中であります。
  当初はタイに繰り出すつもりだったのだが、ちょっとした事情もあって大韓ゆきに変更。目的のひとつは前回の訪問時に開業が間に合わなかった東海線の浦項〜盈徳間。さらに、通り道といえないこともないので、京江線の再訪を兼ねることにした。嶺東線の正東津〜江陵間の復活はまだのようだが、久々に正東津にも訪れてみたいと考えている。天気に恵まれればいいのだけど……。

  っと、そのまえに写真整理をしたままになっていたタイ国鉄東線沿線のしゅぽコレクションをо(^ヮ^)о

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  駅前にしゅぽアリ。一等地にしてはあまりにもイイ顔のしゅぽでありますね(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

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  堤防なり釣り船なりでアジ釣りなどをしていると、かかってくるのはサバばかりということがよくある。なぜかといえば、比較的深い層をテリトリーとしているアジに対し、サバがその上層でエサを待ち構えているため、アジのところに届く前にエサが横取りされちゃうから(もっともサバはアジに劣らず旨い魚ではある)。……というのをちょっと思い出してみた某駅前風景であった。近ごろは魚釣りもさっぱりやらなくなってしまったなぁ……とも思う。

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  こざっぱりとした店構え。背後の建物といい、こういう色彩はけっこう好きだったりする。

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  タイのしゅぽも大韓のそれと同様に味わい深い物件が多い。あいにく、タイ語で「スーパーマーケット」に匹敵するふうに呼ばれているかどうかはいまだ未確認だが、グーグル地図にはこのテの店でも「スーパーマーケット」と記されているケースを確認済み(いうまでもなく大韓も同様)。

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  なんとなく風通しがよくなさそうな……?

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  ふふ、ふ、踏切前にもしゅぽアリラン。

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  大韓や日本とは異なり、なぜかタイのしゅぽには「屋号」が見当たらないことがほとんど。その貴重な(?)例外が1軒。とはいえ、いまだに解読がママならないタイ文字ではある。

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  このトロピカルな雰囲気がチョア♪

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  店先のテーブルセットも大韓しゅぽでおなじみのアイテム。

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  あれこれ品揃えがあるようだ。

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  しゅぽというよりは軽食堂かもしれないが、タイっぽいたたずまいの店ではある。

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  しゅぽ中のしゅぽといった風情の名店。

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  街角にしゅぽアリ。

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  民芸品店を兼ねているかのようなしゅぽは、国境の町・アランヤプラテートで遭遇。

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  チャチューンサオ駅前広場にイイ顔のしゅぽを発見。

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  バンコク・クルンテープ駅に近づくと、線路の両側にはインディーズ風味の住宅街が広がる。そのさなかに浮かび上がるしゅぽの灯にふと旅情を刺激される。

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  基本のポーズなり。

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2018.03.29

ナゾ解きエアライン・・・の巻

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  ツクシが顔を出しMASITAо(^ヮ^)о

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  庭ではボタンキョウが花盛り。

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  よくよくみれば、小さな虫たちが元気に飛び回っていたりもする。

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  花壇の花ではないけれど、清楚な雰囲気に高感度大。

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  春ですねぇ……。

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  このところ、自宅にいるとちょびがその間中ペトペトとついて回っている。寝るときはいうに及ばず、トイレに立つとイソイソとやってきて、風呂から上がると脱衣場で待っている。なかには単に「腹減った。なにかくれ」というときもあるのだが、そうでないときも。風呂から上がり、1杯の麦茶を携えて2階に戻ろうとすると、ひとの1歩前をノソノソと上がってゆくのであった。ますます甘えん坊になっちゃって……キャワユイでしょо(^ヮ^)о
  閑話休題。

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  ちょっとひさしぶりに本……というか本をダシにしたヒコーキの話などを……。
  のっけから物騒なタイトルだが、たいていの航空利用者が程度の差はあれ気にしているに違いないのが、その安全性でについてであるのは間違いないだろう。本書『乗ってはいけない航空会社』(杉江弘/双葉社)は、その命題について元パイロットが率直に語った1冊である。

  本書の冒頭でも触れられているとおり、雑誌やネット上などで航空会社の安全度ランキングの類を目にすることは多い。個人的にも関心のある分野なので、そうした記事には注目しているし読み物としては面白いが、その信頼性はどうなのか。
  本書ではそうしたランキングにパイロットの技量が加味されている例に乏しい点にまず着目し、「こと安全(度)についてのランキングは実態と大きくかけ離れたものばかりで、こういったものを鵜呑みにして航空会社を選ぶと、取り返しのつかないことになりかねない」(1ページ「はじめに」)と警鐘を鳴らす。

  これまで、著者は長年にわたり第一線での乗務や研究を続けてきたなかで、なにをおいても航空の安全についての提言を繰り返してきた。いくつもの要素があるなか、
・イ)パイロットらによる「ヒューマンエラー」
・ロ)航空機材のハイテク化と背中合わせの危険性
・ハ)航空会社や関係機関に求める安全への取組み

  について、とりわけ重要な課題として強調している。ここにしぼった3つのはいずれも密接に関連しあっているが、その根幹にあるべきは、航空機というものはほかならぬ人間が動かしているということであろう。

>近年の航空界では、エンジンをはじめとする機体や空港設備、それに航空管制などの技術革新によって、同時にすべてのエンジンが故障したり、天気の急変を知らないまま進入・着陸を行うなどの、一昔前に起きたような事故は急減している。それに代わって目立つのが、パイロットの判断力と操縦技量の低さによる事故である。一般的には「ヒューマン・エラー」という一言で片づけられているが、その内実はひどいレベルのものが多い。自動化システムへの依存によって基本計器から目が離れるなど、操縦のABCを忘れてしまっていることがその主たる原因となっている。(26ページ「基本操作ができなくなった操縦士たち」)

  長い引用をしたが、本書をはじめ著者の一連の著作ではそうした実例が多数検証されており、なかには身の毛もよだつような重大事故も度々起きているのである。
  そんななか個人的に「ギョッ!」とさせられたのは、引用個所以前、すなわち第1章の冒頭でオレが愛用しているアシアナ航空の実例が複数挙げられていることであった。いずれも報道を通じ知っていた事故(うちひとつ──サンフランシスコにおける着陸失敗──は韓国滞在中に起きた)だが、その後の実態を含め、同種の事故は同社でいつ起きてもおかしくはないのではないかとシロウト目にも思わないでもない。パイロットの資質・技量不足と会社をあげての安全意識の欠如。通常のフライトで不安を覚えたことはほとどないし、サービス面では十二分で、いつも快適なフライトを楽しませてくれている同社ではあるが、さらなる安全への取組みをはかってベストな航空会社へと進化してほしい。

  このアシアナ航空をはじめ、本書では日本はもちろんおもな国々におけるエアラインの安全性について国と地域さらに航空会社別に検証を試みている。韓国に対してもかなり辛辣な指摘がなされているが、著者とは異なる視点(こちらは専門家ではないのであたりまえだが)で同意せざるをえないのが残念ではある。たとえば、これまであの国をあれこれ歩き廻ってきたなかで度々実感させられることがある。
「この国の連中は、道すらマトモに歩けないのか!?」
  となんどクビをかしげさせられたことか。もちろん個人差もあれば巡り合わせということもあろうけれど(いうまでもなく日本でもこういうことはあるし、韓国だってきちんとしたひとのほうが多い)、それにしては……というのが偽らざる実感なのだ。こんなであるから自動車の運転もタカが知れている(わが郷土・房総も似たようなレベルだが・笑)。こういうのが乱暴な物言いであることは承知のうえだが、そうしたザマに遭遇するにつけ、どうして航空が例外でいられようかと思わざるをえないのである。

  残念ながら日本もまた危険水域にあると著者は看破している。また、ごく少数の例外(エバー航空<台湾>やキャセイパシフィック航空<香港>などへの評価は高い。一方でタイにおけるおそるべき実例も報告されているが……)を除き、アジア諸国はもとより、ヨーロッパ各国についてもレベルについて疑問を呈している。長くなりすぎるので詳細は割愛するが、パイロットのレベルについてヨーロッパのそれがけっして高くないことを、いくつかの実例を検証しながら指摘しているのである。くわえて、よく知られている話にEU乗り入れ禁止エアラインというのがある。しかし、EU加盟国にもさまざまな国があり航空事情があり、そこにも疑問符をつけざるをえないというのが実情のようだ。そこには、単に機材の新旧や製造技術の進化という点でははかりえない安全への視点がみてとれよう。

  一方で、アメリカ合州国のパイロットの信頼性の高さを本書は指摘する。さまざまな機会に挙げられてきた例をみても十分に納得できるところかもしれない。あの御巣鷹山事故に匹敵する状況のなかから生還を遂げたユナイテッド航空232便事故(1989年)とアメリカン航空96便事故(1972年)、あるいは「ハドソン川の奇跡」と呼ばれるUSエアウェイズ1549便事故はその代表例であり、著者もこれまで度々取り上げてきた。しかし、これらは皮肉にも相次ぐ機体の不具合などに起因する異常運航の多発(日本領空が関係しているだけでも米国の航空会社による異常運航──エンジンの脱落・故障・炎上や車輪のパンク、燃料をケチった果ての燃料切れによる代替着陸などなど──は数知れない)との裏腹という一面もありはしないだろうか。

>これほどまでに異常運航が多いにもかかわらず、今のところ事故が少ないのが不思議と言えば不思議である。(『墜ちない飛行機 安全なエアライン、機種を選ぶ』杉浦一機/光文社新書/2004年)
>パイロットの質という面ではクオリティは高い。新米の副操縦士でさえ、日本の航空会社の10倍ほどの経験、飛行時間を持っている場合がほとんど。(中略)新米でもかなりの飛行時間と修羅場を潜り抜けてきているツワモノそろいなのだ。(『航空会社の選びかた[海外旅行編]』チャーリィ古庄/エイ出版社/2007年)

  というワケだ。

  こうして各国の実態などを取り上げつつ、著者は安全性の高いエアラインとしてユナイテッド航空をはじめとする米国の航空会社を筆頭に挙げている(「大手の大型機」とサウススエストなど一部の航空会社においてというエキスキューズつきではるが)。しかし、全体としては納得させられるものの、疑問を抱いている面もある。これは、このところ相次いで報道されているユナイテッドなどにおける客室乗務員らによる失策の数々が気になっているからだ。
  ユナイテッドの客室乗務員らが機内でなんの罪もないアジア系乗客に重傷を負わせたのはセンセーショナルな事件として報道されたが、ついさきごろは乗務員によるマニュアルに反した行動の結果として、乗客が連れていたイヌを窒息死させた事件が起きている。ちょっと古い事件では、2011年にUSエアウェイズで起きた乗客の立席(7時間も!)フライト事件にも驚かされたものだ。これはあくまでシロウトの考えではあるけれど、これら米国のいくつかのエアラインでは、運航乗務員(パイロット)が優秀な反面、客室乗務員は常識的レベルにすら達していないケースが、けっして例外的でないのではあるまいか?

  これは、接客などサービス面のことではなく、万が一のさいの任務でこそ重要だ。言い換えると、この点では「安全なエアライン」とするには十分な条件を満たしていないのではないかという気さえする(くわえて、整備は大丈夫なのか?  また、預け荷物の紛失も多い──実際に空港職員による盗難もある──といわれる)。
  現に、たとえばユナイテッド航空では、成田空港において離陸直後にエンジンに不完全燃焼が生じ、それを火災につながる出火と勘違いした客室乗務員が機長との確認をとらないままに緊急脱出アラームを作動、脱出のさいに乗客乗員24人の重軽傷者を出した(2001年/ちなみに、このケースでは緊急脱出の必要はなかったという)。こうした例をみると、たとえ重篤なピンチをパイロットがしのいで緊急着陸を成功させたとしても、最終局面の脱出においてそれがご破算になる可能性だってある。

  もとより、それを言い出してしまえば、それこそ世界中に「安全なエアライン」などないのだという極論に陥ってしまうかもしれない。だが、ヒントはある。最善を尽くしてもなお失策は起こりうるものだが、そうして起きた「事案」に対する姿勢は、米国はきわめて進歩的であり、手本にすべきであるようだ。詳しくは本書をはじめ著者の著作をお読みいただくとして、残念ながら日本のそれは米国どころか韓国にすら及ばないレベルの後進国であることを、著者は合わせて警告している。

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  個人的に「時刻表」は大好物の読み物。となれば、航空ダイヤについて興味を抱くのも当然のなりゆきなのであった。機材運用などを含め、ナゾめいた点が多い航空ダイヤだが、そんな疑問の数々に応えてくれたのが、前掲と同じ著者による『飛行機ダイヤのしくみ』(杉江弘/成山堂書店/2016年)である。
  ダイヤの組み方にはじまり、その前提となるさまざまな要素──当局との関係や空港のキャパシティ、使用機材による違いなど──を紹介。さらに気象条件や飛行承認(ATCクリアランス)、路線ごとの特有な条件といった実際の飛行に影響することがらについて、シロウトにもわかりやすく解説されており、それらひとつひとつがきわめて興味深い。くわえて、米国領空通過フライトのさなかに米国での9・11同時テロが起きた体験などのコラムも興味津々で、一気に読み進めることができた。

  ところで、
「おおっ、やはりコイツにも言及されているか!」
  と唸ったのは、首都圏西部を占拠している「横田空域」についてである。
  その名称から想像できるとおり、米軍横田基地に関係する“空の植民地”(個人的造語)だ。

>新幹線と競合する東京(羽田)と大阪(伊丹)を結ぶ大阪線でなぜ飛行時間がもっと短くならないか、それはひとえに米軍の横田空域の存在である。横田飛行場の出発、進入のための空域が神奈川県に広く設定されているため民間航空機は迂回して飛ぶ必要がある。このため(中略)、大きな飛行時間と燃料の損失となっていた。(70ページ)

  現在は大阪ゆきの便限定でその一部運用が緩和されているとのことだが、それでも使用滑走路の関係でタキシング(離着陸のさいの空港内の移動)負担が大きく、飛行の時短が実現しているワケではないようだ。なにしろ、南は伊豆半島中部から、北は新潟県中部、さらに八ヶ岳や四阿山(群馬県)などを飲み込んでいる広大な空気なのである。いうまでもなく相当の高度にまで及んでいるのだから、支配されている空間は莫大なものとなる。

  目下、羽田空港をめぐり、東京都心上空などにおける低空飛行が問題となっているが、その裏にはこの米軍による占領が関係しているともいう。言い換えれば、この占領が解決されることは、わが国にとって大きな利益につながるハズで、もっといえば環境負荷の軽減という意味でも「百害あって一理なし」なのがこの横田空域だともいえるのではないだろうか(このくだりは本書では言及されていない個人的な所感です)。

  航空ダイヤと安全という点についていえば、航空需要の増加やLCCを含む新興航空会社の台頭などもあって、その運航便数は増加の一途にあるという。すると懸念されることの筆頭はパイロット不足ということになるだろう。前掲書でもその点についてふれられているが、需要に追いつくために質を犠牲にした量産が世界的に進められる可能性はある。たとえ若干の技量不足があったとしても、進化を続ける航空機の性能がそれをカバーするということはあるかもしれない。ただし、それはあくまで「平時において」の話だ。
  こういうイヤミな予感はぜひとも外れてもらいたいものだが、現役のベテラン勢(それらの多くはハイテク技術に頼り切ってこなかった世代)が引退し、はたしてその後の状況はどうなるのだろうか?  現段階では想像すらつきにくいような事故が多発するなどということはないと思いたいのだが……。

  それにしても、仮に著者にお目にかかれる機会があったとしたら、訊ねてみたいことが山積みであり、興味が尽きないのではないかという気がする(おまけにこんな↓本なんかも出しておられるし)これはもう間違いなく相手の貴重な時間を莫大に浪費させてしまうことになるのだろうなァ……と思うのであったо(^ヮ^)о

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  航空に限った話ではないが、使いやすいダイヤであるかどうかは利用にさいしての重要ポイントのひとつであろう。上の画像は「flightradar24」からアシアナ航空のHL7775(B777ー28ER)のとある数日間のフライト(運用)状況を抜き出したものである。

  最上部にOZ741便(ソウル/仁川→バンコク/スワンナプーム)が見える。この日は遅れが生じ、定刻22時40分着のところ23時40分に到着したことがわかる。遅延の事情まではここではわからないが、よくよくみるとその前の運用であるOZ271便(シアトル→仁川)の定時到着予定時刻は18時(当日はほぼジャストの18時02分着)。ところがつづくOZ741便の発時刻は18時50分(レギュラーダイヤでは18時20分だが、なぜかこの日は30分遅れを定時としてある)となっており、ハナっから定時運航が困難なダイヤになっているのである。国内線ではもっとタイトなインターバルもあるとはいえ、国際線の大型機の運用としてはムリのある設定とはいえないだろうか。
  じつはコレはまだマシなほうで、たとえば7時00分到着予定の機材のつぎのフライトが6時30分発だといったような不可思議な運用もなんどか目撃している。機材が足らないのを承知のうえで運航計画をつくっているのかと疑いたくなってくる状況ではあるが、こと安全という点での悪影響がないのか、不安を覚えなくもない……。

  じつは、このOZ741便は個人的に使う機会のある便である。仁川を経由するぶん所要時間は増えるものの、運賃が比較的安価であることのほか、バンコク着が申し分のない時間であること(復路のOZ742便では仁川でOZ102便に接続し、絶好のリレーで自宅にたどり着ける)、さらに大韓取材など通じて同社便に乗り馴れていることも選ぶ理由になっている。
  ついでの話ではあるが、スワンナプーム空港のイミグレーションは出入国ともに混雑が激しいといわれるなか、741便の到着時間帯はウソのように空いていることが多く、数人待ちで入国したのちに空港鉄道と地下鉄の最終に楽々間に合い、市街地へのアクセスにも便利だ。ただし、30分程度の遅延が生じると、入国審査で1時間はおろかヘタをすると2時間近い行列を強いられるハメになる。

  で、ココからが本題というか個人的ボヤキである(笑)。
  5月にタイ取材を予定しているので、今回もまた慣れたこのルートでと考えていたところ、今年の夏ダイヤで741/742便の時刻が1時間ほどくり下がっていることが判明。バンコク着23時20分ではあの深夜の入国渋滞に巻き込まれる公算が高く、空港からホテルまでタクシーを利用せざるをえない。それは我慢できるとして、帰路の742便が仁川で成田ゆきの午前便に接続しないという改悪がなされており、最短でも半日待つハメになっていたのであった。

  このザマではあえて選ぶ気にもなれない。が〜、ふと思った。この半日程度の乗り継ぎ時間を仁川国際空港の第2旅客ターミナルや空港に接続する「リニアモノレール」の取材に充てればいいではないか。途中降機ではなく乗り継ぎ扱いで翌朝9時00分発の102便とのコネクションも利用可能なので、ソウルで1泊してもいい。とりあえず5月はこの作戦がいいのではアルマイトの弁当箱?
  とかなんとか欣喜雀躍(大袈裟)としたけれど、こんどは運賃がかつてよりおおむね2割以上も高くなってITA……(燃油サーチャージの影響もなくはないが)。それならばタイ航空などで成田からバンコクに直行するほうをオレだって選ぶ(といいつつ、5月は「ついでに仁川第2ターミナル見物作戦」とした。調べた限りたった2通りの往復日程の組み合わせでしか認められなかったが、辛うじて納得できる価格の正規割引運賃を発掘できたからだ。もっとも、公式サイト上での購入のさい、決済寸前に帰路便が深夜0時すぎの出発であることに気づき「ギョッ!」。幸いにして帰路を翌日便<前日深夜発>にしても同じ価格で購入できたが、なんとも危ういところであった・笑)。

Yangyang0225

  ところで「flightradar24」は非常に便利かつ楽しいサイトで、航空便の追跡や空港の運用状況などをリアルタイムでチェックできる(ほめられる“趣味”ではないかもしれないが、悪天候時のレーダー画面はちょっとしたショウタイム?)。
「flightradar24」たとえば、大韓のトマソン&浪費空港として名高い(?)襄陽国際空港は、平昌五輪のさいのチェックポイントでもあった。画像は2月25〜27日の出発便一覧で、さすがにこのときは臨時便(N600JVというのはプライベート便?)がいくつか設定されている。が〜。賑わったのはこの数日間だけの話で、通常は北九州便と釜山便がそれぞれ1便ずつ細々と運航されているにすぎない。

  ちなみに、こんなイカした情報もアリランо(^ヮ^)о
アントノフan225

  リンク記事はアントノフan225の飛行計画。たった1機だけの孤高の存在にして世界一の巨大航空機(貨物機)として名高い同機。こんな“おっかけ情報”まであるとは、さすがスターは違うと感心させられMASITA(゜゜;)(゜゜;)(゜゜;)

Hikoukidaihyakka

  そんなこんなで、このところ汽車よりもヒコーキ関連の本を読む時間のほうが長い昨今。あるとき企画室で一読したのちにテーブルに放置しておいたこの『基礎からわかる旅客機大百科』(イカロス出版)を、なぜか年老いたわが母堂がベッドの友にした挙げ句、
「飛行機もおもしろいわね」
  とかなんとかウレシがっていたのが印象に残る。

  ……と、ほかにもあれこれでまかせを記そうと思っていたが、すでに長くなりすぎたので、今宵はこのへんにしとうごぢいます。

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